骨が足りないと言われ諦めてませんか?
当院にはインプラント希望で、他の医院で骨が少ないから難しいと言われたという方が多く来院されます。 インプラントは骨がある部分に適用される治療方法で、骨が少ない場合 ①違う治療方法を選択する ②少ない骨の範囲でインプラントを検討する ③骨を増やしてインプラントを行う に分かれると思います。 ①違う方法を選択する場合は ブリッジ または 入れ歯 が考えられます。 それぞれの治療もしっかりと行えば良い治療方法ではありますが、適用できる場合とできない場合、またそれぞれのデメリットもあります。 今回は左上下奥歯のインプラント希望のケースです。 左下は先にインプラントを終え、仮歯まで入っている状態です。 この状態でも普通に食事をとることに問題はないと思います。 しかし、左上を1本抜歯してあるため、左下の1番奥の歯がまったく噛んでいない状態です。 この左下の奥歯は被せ物はしてありますが神経は残っており、歯周病と虫歯を防ぐことができれば長期的に残すことが可能と考えられます。 そのため、左上に何かしらの治療を行いしっかり噛み合わせに参加させることが大切です。 左上に選択できる治療は ①ブリッジ ②入れ歯 ③インプラント があります。 ①、延長ブリッジと呼ばれ、手前2本を削り後ろに被せ物を伸ばしかませてあげる方法です。この方法は延長した部分に強く力がかかり、また手前2本を大きく削るためあまりおすすめできる治療方法ではありません。 ②、手前の2本にクラスプと呼ばれる金具を引っ掛けそれを支えに入れ歯が装着される方法です。2本の歯に力がかかるのと、違和感が強く出たりするため作成しても使わない患者さんが多くいらっしゃいます。 ③、周りの歯には何も負担をかけずこの部分のみで完結できるため、1番シンプルな治療方法だと考えます。 しかし、骨があるかどうかが関係してきます。 患者さんの希望もあり、CTを撮影しシミュレーションをしてみます。 今回の部分の骨の状態を調べ、計測すると 骨の高さが6−7mm、幅が14mm程度とわかります。 上の奥歯の上方には副鼻腔(上顎洞)と呼ばれる鼻につながる空洞があります。 通常のインプラントだけで行う場合、この空洞に届かないよう既存の骨の範囲内で処理する必要があります。 理想的なサイズのインプラントをシュミレーションしてみると、 副鼻腔にインプラントが届いてしまいます。 この場合、前述した通り 7mm以下の短いインプラントを使用する または 骨を作り理想的な長さのインプラントを使用する の2つの方法があります。 患者さんと相談の上、長期的な予後を考慮し、骨を作り理想的なサイズのインプラントで行うこととなりました。 今回行う方法はソケットリフトと呼ばれる治療方法です。 一定量の骨が残っている場合に選択できます。 治療の流れです。 上顎の骨が少なく、インプラントに必要な骨が足りない状態です。 歯茎を切開し、骨の状態を確認します。 専用のドリルを使用し、小さな穴を開けていきます。 周りの骨を押し広げ、副鼻腔の粘膜を傷つけないように上方へ持ち上げていきます。 その部分にできた空間に人工骨を填入し、その人工骨ごと粘膜をさらに上に持ち上げていきます。 人工骨で埋まった空間にインプラントを埋入し、歯茎を縫合します。 この状態で経過観察を行い、しっかりとした骨に置換するのを待ちます。 この方法はインプラントを入れる部分以外には大きな傷を作らないため、侵襲の少ない治療方法ではありますが、細い穴からの処置になるため高度な治療技術が必要になります。 当院では口腔外科専門医2名とインプラントのオペにあたっているため、難易度の高い治療にも対応することが可能です。 オペ後のCT画像です。 実際にシミュレーションしていた部分と同じ位置に埋入できていると思います。 治療前 治療後 骨が少ないからといってインプラントが無理な訳ではありません。 また、骨を作るにも様々な方法があるため、ケースに合わせてリスクの少ない治療方法をご提案しています。 アズ歯科桶川院では、CT、マイクロスコープなどの精密な機器の使用と、技術、経験値の高い口腔外科専門医との連携により難しいケースにも対応しております。 お気軽にご相談ください。 治療期間 5ヶ月 治療費 ¥550,000 + tax 治療のリスク インプラントが歯周病になる可能性がある
2023.03.27