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桶川の歯医者|アズ歯科 桶川院

乳歯が早めに抜けてしまったら?

むし歯やケガなどで早期に乳歯を抜かなければならないことがあります。   さて、 なんとか頑張って抜歯ができました。   「その後の治療って、必要なのでしょうか?」   大人の歯、永久歯は、抜歯した後に再び噛めるようにする治療が必要ですよね。 入れ歯やブリッジ、インプラントなどです。   それでは、 乳歯は抜いた後、どうすると思いますか?     たいてい、乳歯は永久歯への生えかわりのタイミングで自然に抜けます。   お家でうまく抜けない子は歯医者で抜くこともありますが、   そもそもそれは、歯ならびの成長にとって適切な生えかわりの時期があるからです。   乳歯が抜けるのは遅すぎても早すぎてもダメなのです。     遅すぎる場合とは、永久歯が生えてきているのにも関わらず、 そこの乳歯がグラグラせずに残ってしまっている時などです。   定期的に歯科検診で受診していれば、 「この乳歯は自然に抜けるのが遅いので、今度抜歯をしましょう」 と歯科医師から言われるかもしれません。 その時は頑張って抜歯をしましょう。     それでは、乳歯が抜けるのが早すぎる場合とはどんな時でしょうか?     それは、むし歯やケガなどで抜けてしまった、もしくは抜かなければならなくなった時です。 その時は、歯科医院で乳歯を抜歯します。   しかし、いずれ永久歯が生えてくるので、 大人のようにインプラントをしたりということは必要ありません。   その代わり、永久歯が生えてくるスペースを確保しておかなければならないのです。 このことを、保隙(ほげき)といいます。   どういうことかというと、   早くに抜けてしまった乳歯の隣の歯が、その抜けたスペースによってきてしまうのです。   つまりそれを防いでおかないと、   あとから生えてこようとしている永久歯が生えるスペースがなくなり、適切な位置に生えてこれなくなってしまう ↓ 永久歯の歯ならびがわるくなる ということです。     では、実際にどのようにそのスペースを確保しておくのか、 治療の例を見てみましょう。       7歳のお子さんです。 乳歯が早期にグラグラしてしまい、痛みがあるため抜歯が必要でした。 原因は、当時のむし歯の治療で歯が脆くなってしまい、外力がかかった際に歯が内部で折れてしまっていたのです。     抜歯は済みましたが、永久歯が生えてくるまであと1年以上はかかりそうでした。 その間に隣の乳歯がこのスペースによってきてしまうと、本来生えてくるはずの永久歯が適切な位置に生えてこれなくなってしまいます。   そのことを防ぐために必要な治療が、保隙です。       今回は、バンドループという装置を用いて保隙しました。 型を取り、確保しておきたいスペースにぴったりのワイヤーを作製し、隣の乳歯に接着します。     そうして1年が経過した頃、保隙していた部分に変化が現れます。 歯ぐきが少し膨らんできているのです。   レントゲンを撮ってみると、永久歯がもうすぐ生えてきそうなのがわかります。 白く見えているのはバンドループです。 このままだとワイヤーが永久歯が生えてくる際に邪魔になってしまうため、バンドループを除去します。       バンドループをとって1ヶ月程たった頃、永久歯が生えてきました。 ここまできたら、あとは通常の永久歯の生えかわりと同様です。 しっかり生えてくるか様子を見守ります。   いかがでしたか?   今日は、早期に乳歯を失った場合の治療についてお話ししてきました。   この患者さんは矯正(きょうせい)治療、いわゆる理想的な歯ならびのために積極的に動かす治療はせず、 あくまで自然な生えかわりに影響が出ないように、という目的で治療を進めています。 今後、他の歯の生えかわりなどで今回治療した部分の歯ならびがきれいにならない可能性はあります。   もし、生えかわりを含めて永久歯をきれいな歯ならびに導くことを目的とするならば、 この時点で他の装置を用いて矯正治療を進めることも可能です。   受診される患者さんが希望される治療は、さまざまです。 それぞれに合った治療法をご提案したいので、 気になること、聞いてみたいことがある方はぜひ一度アズ歯科桶川院までご相談ください。   治療期間 1年半 治療費 保険診療 治療のリスク 今後、歯ならびが変化する可能性がある  

2023.05.05

歯ぐきから血が出たら歯肉炎?

「歯みがきしていたら出血した」なんてことはありませんか?   お口をゆすいで血が滲んでいたら心配になりますよね。   その原因は、おそらく歯肉炎です。   このように、歯垢(プラーク)が歯ぐきの周りに溜まってくると、 炎症を起こしてしまい、少しの刺激で出血しやすくなるのです。   さらに進行すると歯周病になり、歯を支える骨が溶けてしまいます。 そうなる前に、歯垢を除去して歯肉炎を治す必要があります。   実際の治療を見てみましょう。   20代の女性です。 「歯みがきをしていたら出血した」というお悩みで来院されました。   歯ぐきを見てみると腫れており、歯肉炎であることがわかります。   エアーを吹きかけると、歯ぐきがめくれて中が見えました。 歯肉炎になった歯ぐきは腫れてブヨブヨしているのです。 そこには歯垢が溜まっています。 歯肉炎になった原因は、この歯垢中に含まれる歯周病菌です。   治療では、この歯垢をきれいに除去することを徹底していきます。 スケーラーと呼ばれるこのような専用の器具を用いて、取り除きます。 この処置を歯科医院ではクリーニングと呼んでいます。     クリーニング直後の歯ぐきの状態です。 歯垢はなくなりましたが、歯肉炎になっていた歯ぐきは腫れて赤くなっています。   処置後も家で毎日のセルフケアを徹底しなければなりません。 食後8時間程度で歯垢はまた付いてきます。 しかし初期の歯垢は歯にくっついている力が弱く、ご自身で歯みがきすることで簡単に取れるはずです。   クリーニングをしてから1週間たった時点の写真です。 歯ぐきの腫れは改善してきましたが、赤みはまだ少し残っています。 出血は以前よりおさまったようです。   この後、再び歯周病の検査を行い、 歯周ポケットの奥に付いている歯石があれば、 さらなる歯周病治療を施術する必要があります。   歯周病は、Silent Disease(静かなる病気)とも表現され、ひどくなるまで病気と自覚されることの少ない病気です。 痛みが出てくる頃にはかなり進行しており、治療しても完全に治らないケースが多いのです。   そうなる前の歯周病のサインとして、 歯みがきした時に出血するかどうかが重要なのです。   気になる方は一度歯科医院を受診して、しっかり検査しましょう。   桶川市で歯科医院をお探しの方は、アズ歯科桶川院までお越しください。   治療期間 1ヶ月 治療費 保険診療 治療のリスク 再発する可能性がある  

2023.04.27

5月の診療について

5月24日(水)はスタッフ研修のため17時までの診療 5月30日(火)はスタッフ研修のため18時までの診療 その他の診療についてはお昼休みなしで毎日診療を実施しております。 矯正日が5月7日(日)、20日(土)、21日(土) 外科日が5月28日(日)です。   【ゴールデンウィークの診療時間について】 4/29(土)、4/30(日)は9時~17時までの診療 5/1(月)、5/2(火)は9時~19時までの診療 5/3(水)~5/5(金)は9時~17時までの診療 とさせていただきます。   お口の中でお困りのことがありましたら、お気軽にご相談ください。

2023.04.25

歯科医院専用の歯みがき粉とは?

今回は、日頃から皆さまのクリーニングの時に使用している歯面清掃剤についてです。   歯科医院にお越しいただいてクリーニングすることを「PMTC」と呼びます。 ピー、エム、ティー、シー。 はい。 日本語に訳すと「専門家による機械的歯面清掃」という意味です。 実はこの治療、すごい効果をもっているんです。     むし歯・歯周病予防の定番? PMTCが持つ効果   1.歯垢除去 専用の器具を使いながら、普段のブラッシングでは落としきれない歯垢も除去していきます。歯面をツルツルにすることで、新たな汚れや細菌を付きにくくする効果もあります。   2.バイオフィルムの除去 バイオフィルムとは、細菌が溜まって膜のようにこびりついたもの。台所のシンクの隅についている茶色のヌメりのようなものです。粘着性が高いため普段のブラッシングでは落としづらいのが特徴です。PMTCでは、専用の器具を使いながら、このバイオフィルムも除去していきます。   3.着色汚れの除去 PMTCでは、食べ物やタバコなどによる着色汚れも除去します。本来の歯の色を取り戻すことができ、また、歯の表面を磨くことで、汚れ自体をつきにくくします。     さて、話は戻りますが、 そのPMTCで使用している歯面清掃剤についてお話しします。 簡単に言うと「歯の表面磨きまーす!」の時に使っている、あの歯磨き粉みたいなものですね。     では、歯面清掃剤も沢山の種類がありますが、アズ歯科で使用している製品をご紹介します。     ①コンクールクリーニングジェル こちらは皆さん大好きで、アズ歯科で診療前に使って頂いている緑色の洗口剤コンクールFの歯面清掃剤バージョンです。 高機能シリカの吸着効果で歯面に負担をかけずに汚れを吸着除去します。 艶出し仕上げまでをワンステップで実現します。     ②プロフィーペーストPro 1960年代からスウェーデンの予防歯科に導入され、現在では多くの大学病院や歯科医院で幅広く使われております。 4種類の色で分けられており、汚れの程度に合わせて衛生士が選択して使い分けます。   ③メルサージュAPプロ こちらは2022年に発売された最新のものです。 卵殻由来の新素材「バイオアパタイト」が配合されていて、虫歯菌や歯周病菌、さらには着色汚れの原因になる色素を吸着してくれます。 また、歯の表面の傷や凹み部分にすりこむことで傷や凹みを改善させてくれます。     このように、歯科業界において長年使い続けられているものから、新素材が配合されている新しいものまで様々取り揃えております。 基本的には担当衛生士がお口の中の状況に合わせて選択して使い分けますが、ご興味やご希望がありましたらお気軽にお申し付けください。     今、舌で歯を触ってみてザラザラや、ヌルヌル。感じませんか? そんな方にはプロフェッショナルケア、PMTCが必要かもしれません。 虫歯、歯周病を予防してツルツルピカピカな歯を維持しましょう。

2023.04.24

骨が足りないと言われ諦めてませんか?その2

インプラントを検討する際、骨が少ない場合は 既存の骨に入るサイズのインプラントを選択する または 骨を増やして理想的なサイズのインプラントを選択する に分かれます。 しかし、骨の量が極端に少ない場合はインプラント自体が難しいことがあります。   今回のケースです。 左上の奥歯が抜歯になり、その後の治療でインプラントを希望された方です。 処置前のレントゲンです。 上の奥歯に歯がないのが分かると思います。 通常のレントゲンだけだと正確な診断ができないためCTを撮影します。 横から見たCT画像です。 正面から見たCT画像です。   上顎の上方には副鼻腔(上顎洞)と呼ばれる、鼻とつながる空洞が存在します。 下の赤線で囲まれた部分です。   この部分にインプラントが飛び出してしまうと鼻に炎症を起こす可能性があるため、その下の骨の内部で留める必要があります。 今回の画像をみるとわかりますが、骨が極端に少ない状態です。   どのサイズのインプラントが適切か判断するため CT画像を使用し、インプラントのシュミレーションを行います。 後ろのインプラントが副鼻腔に飛び出してしまうのがわかると思います。   正面から見た画像です。 インプラントの半分以上に骨が足りない状態です。 現状の骨の状態でインプラントを行うこと自体が難しいと判断できます。 この場合は骨を造成し、インプラントを埋入するための土台を作る必要があります。 今回サイナスリフトと呼ばれる術式をインプラントの手術と併用して行う計画を立てました。   『サイナスリフトとは?』 下の図のように上顎の骨が少なく、副鼻腔との距離が近く骨を盛り上げる場合に選択する治療方法です。   歯茎を切開し、副鼻腔につながる骨を一部削除します。   副鼻腔内の粘膜を破らないように慎重に上方に持ち上げていきます。 それによってできた副鼻腔内の空洞に人工骨を填入します。   骨を盛り上げた部分にインプラントを埋入します。   この人工の骨が既存の骨と一体化するまで待機します。   実際の処置後です。 下の歯と本数を揃えるため、計画を再立案し3本のインプラントを埋入しました。     インプラントの上にドーム状に広がっているのがサイナスリフトを行い填入された人工骨です。 予定通りの場所に、予定通りの方法でインプラント手術を終えることができました。 ここから、人工の骨が安定し既存の骨と一体化するまで8ヶ月ほど待ち、被せ物の作製をしていきます。 サイナスリフトを行うことで通常のインプラント治療に比べ待つ期間は長くなりますが、骨の厚みが増え長期的にインプラントが安定できる状態になります。 残っている骨の量や厚み、幅によって治療の術式、選択するインプラントの種類は様々です。 CT撮影を行い立体的に骨の状態を評価し、治療方法を相談しています。 また、アズ歯科桶川院には複数の口腔外科専門医、外科治療経験豊富な歯科医師が診療にあたっています。 難易度の高いインプラント治療にも対応しています。 お気軽にご相談ください。 治療期間 8ヶ月 治療費 ¥800,000 + tax 治療のリスク インプラントが歯周病になる可能性がある  

2023.04.22

セラミックで白い歯を作りませんか?

「うわ、前歯が黒くなってる、、」 虫歯になると痛みでつらいこともありますが、 見た目が気になることもありますよね。   そんな時はしっかり虫歯を治療して、 新しい白い歯を手に入れましょう。   前歯が虫歯になってずっと放置していたという患者さんです。 痛みもそこまでではなく、 だからこそ、治療になかなか踏み出せなかったとのことです。   虫歯が歯ぐきの中のほうにまで進行しており、 歯ぐきのケアも必要になります。   虫歯に罹患した部分を削りとり、 欠損したところをコンポジットレジンという材料で埋めたところです。 これから全体の歯の形を再現するためにセラミックの被せ物をする予定です。   その際に歯ぐき周りのケアも大切です 歯ぐきが健康的な状態でないと、ピッタリの被せ物ができません。     虫歯の治療後に詰めるもの、被せるものがピッタリでないと、 また虫歯が再発しやすくなったり、 歯周病が進行する原因になったりします。     セラミックの被せ物をしました。 材質は表面が滑沢でプラークが付着しづらく、 生体親和性に優れており、金属アレルギーの心配がないほか、 耐久性の面でも良い状態を長く保ちやすいのです。     治療の前後を比較してみます。   治療前 治療後   いかがでしたか? 前歯が黒くなっても虫歯の治療をすることで、 ここまでキレイに元に戻るのです。 あまり放置すると歯を抜かなければならないこともあります。 そうなる前に、 勇気を出して歯科医院へ一歩踏み出してください。 アズ歯科桶川院でお待ちしております。   治療期間 2ヶ月 治療費 ¥400,000 + tax 治療のリスク セラミックが割れる可能性がある    

2023.04.19

骨の中に飛び出た異物は手術でとれる?

神経の治療、根管治療をする時に、根管内を封鎖するために詰める材料があります。 ガッタパーチャポイントと呼ばれるゴムのようなものですが、 根の先端が壊れているとその先へ材料が飛び出してしまうことがあります。   飛び出してしまった材料は骨の中に残り、炎症の原因となるので除去しなければなりません。 本日はそんなお話をします。   奥歯に痛みがあり、受診されました。   もともと根管治療をされていたようですが、痛みがおさまらず当院を受診されました。 矢印のところに白い影が見えます。   CTで確認すると、 根の周りに歯周病で骨が溶けている像(黒い部分)があり、 そばに白い影が見えます。   別の角度から見てみます。 根の中にある白い影と、根の先にある白い影が同じものであるように見えます。 おそらく当時の治療で根の中を詰める材料が骨の中に飛び出してしまったものと考えられます。   別の角度から見てみます。 この部分に痛みがあるのは骨の中の炎症が原因であり、 異物が病巣内にあるならば、 炎症を治すためにはこの異物も取り出す必要があります。   この骨の中の炎症は、もとは根管に感染した細菌により引き起こされたものです。 まずは根管治療をして、根管内をきれいにします。   歯の被せ物を除去します。   除去後、歯の表面をきれいにしたら、   ラバーダム(ゴムのシート)をかけるために白い材料で歯の形を一部復元します。   ラバーダムをかけたら、根管内を洗浄します。   根管内をきれいにしたら、そのスペースを埋めるために詰め物をします。 ピッタリ詰めないとまた細菌が増えて炎症を起こす原因となるため大事なポイントです。   根管内に詰め物をした後のレントゲン写真です。 根の先に飛び出している異物はまだ残ったままです。   これを取り除くためには手術が必要なので進めましょう。     歯ぐきを切開してみると、骨の中に飛び出してしまったと思われる異物がありました。   まずはそれを確実に除去します。   取り出した異物です。 全長3mmくらいでした。   その後、病巣内の根の周りをきれいにします。 ここでは歯根端切除術をしています。   手術直後のレントゲン写真です。 白く見えていた異物がなくなりました。 根の先端の黒く見えている部分は病巣を取り除いた後の骨の空洞です。 炎症の原因となっていた細菌がいなくなれば、やがてここに骨ができてきます。   術後、1ヶ月たった時点の歯ぐきの状態です。 感染もなく落ち着いています。 この時点で、もともとあった歯の痛みはなくなっています。   術後、半年たった時点でのレントゲン写真です。 根の周りの黒い影がなくなり、骨ができていることがわかります。   ここで、治療の前後でのCTの比較をしてみましょう。   治療前   治療後   いずれの写真でも、再び骨ができてきているのがわかります。 根管内をきれいにして骨の中の異物をとったことで炎症が治ったようです。   炎症が落ち着いてきたら仮歯をかぶせて、実際にお食事で噛んでみます。 噛むことで治療した歯に負担がかかりますが、そのことで痛みが出たり問題が起きないか確認します。   いかがでしたか? 今回は、根管治療で異物が根の外側に飛び出してしまった場合の治療についてお話してきました。 神経の治療、根管治療を続けているけど痛みがおさまらない方はご相談ください。 痛みが続いている原因が他にあるかもしれません。   桶川市で歯科医院をお探しの方は、アズ歯科桶川院までお越しください。   治療期間 6ヶ月 治療費 保険診療 治療のリスク 根が短くなる、炎症が再燃する可能性がある  

2023.04.12

前歯がしみる場合の治療とは?

「前歯の付け根がしみるんだよね」 このようなお悩みの患者さんは多いです。   そして、 歯ぐきが下がる → 根元が露出する → 知覚過敏になる というサイクルでしみている方が多いように感じます。   その場合、 治療をして即時に症状が改善する場合もありますが、 原因がはっきりわからず、よくなるまでに少し時間がかかることもあります。 そんな時はこんな治療をします、というお話です。     上の前歯がしみている患者さんです。 歯ぐきが下がっており、本来歯ぐきの中に隠れている根元が表面に見えています。   以前その部分に虫歯ができて治療をされたのでしょう。 古くなって変色している詰め物が見えます。   古い詰め物の接着が弱くなり、しみる原因になっていることもあるので、 除去して内部を確認します。   詰め物は深く、以前の虫歯はずいぶん大きかったようです。   新たに白い詰め物を接着しました。   同じ部分を裏側から見ています。 以前の詰め物がピッタリではないので、こちら側からも詰め物を除去します。   内部を確認します。   古い詰め物、その周りで虫歯になっている部分は削り取り、 新しい詰め物を歯ぐきにピッタリ合わせます。   再び表面から見てみます。 これで新しい詰め物の接着が終わりました。 治療後、しみる症状が改善したとのことで、一旦落着と思っていました。     しかし、1ヶ月後に再び同じところがしみるというお悩みで来院されました。 詰め物の接着が弱くなったとは考えにくいので、他の原因を考えました。   根元の詰め物はピッタリです。 それではなぜしみるようになったのか。   今回の治療では、清掃性を改善するために、 本来の歯根の形を再現するように詰め物をしました。   しかし、歯周病で歯ぐきが下がっているので、 その部分に刺激が加わり、知覚過敏を起こしてしまっているのではないかと考えました。   そこで、隣の差し歯を外して、   しみている歯の詰め物の厚みを増やすことを考えました。   幸い、今回の部分の詰め物を大きくしても、 反対側の歯にも大きめの被せ物が入っているので、見た目で左右のバランスがわるくなることはなさそうです。   外す前 外した後 仮歯をつけたところ   この仮歯の幅を小さくして、 しみている歯の詰め物の厚みを増やします。   そこでこの金属の土台を外して、   まずはこちらの根の治療をします。   差し歯の中の治療を済ませたら、   こっちのしみているほうの治療をします。   詰め物の厚みを、   増やしました。   歯の根元から移行的に詰め物を接着します。 段差ができたりすると清掃性がわるくなり、虫歯や歯周病が悪化する原因になるため、 ここは大事なポイントです。   その後、新しい差し歯の土台を作り、   幅を小さくした仮歯を戻します。 この治療の後、患者さんのしみる症状は改善しました。 今後は経過をみて症状が落ち着いているようであれば、 仮歯を最終的な被せ物に変更して、治療終了です。   いかがでしたか?   最初のこの治療だけでしみる症状が改善する患者さんもいるでしょう。 その場合は今回のような治療は必要ないです。   ただ、一度治療した後もまだ同じ症状が続いているなら、 他に必要な治療がないか再検討する必要があります。   今回のように、 「以前治療したのだけど、まだ気になる症状がある」 という方はぜひ一度アズ歯科桶川院までご相談ください。 セカンドオピニオンをご希望の方もお待ちしております。   治療期間 2ヶ月 治療費 保険診療 治療のリスク 症状が再燃する可能性がある  

2023.04.03

骨が足りないと言われ諦めてませんか?

当院にはインプラント希望で、他の医院で骨が少ないから難しいと言われたという方が多く来院されます。 インプラントは骨がある部分に適用される治療方法で、骨が少ない場合 ①違う治療方法を選択する ②少ない骨の範囲でインプラントを検討する ③骨を増やしてインプラントを行う に分かれると思います。   ①違う方法を選択する場合は ブリッジ または 入れ歯 が考えられます。 それぞれの治療もしっかりと行えば良い治療方法ではありますが、適用できる場合とできない場合、またそれぞれのデメリットもあります。   今回は左上下奥歯のインプラント希望のケースです。 左下は先にインプラントを終え、仮歯まで入っている状態です。 この状態でも普通に食事をとることに問題はないと思います。 しかし、左上を1本抜歯してあるため、左下の1番奥の歯がまったく噛んでいない状態です。 この左下の奥歯は被せ物はしてありますが神経は残っており、歯周病と虫歯を防ぐことができれば長期的に残すことが可能と考えられます。 そのため、左上に何かしらの治療を行いしっかり噛み合わせに参加させることが大切です。   左上に選択できる治療は ①ブリッジ ②入れ歯 ③インプラント があります。 ①、延長ブリッジと呼ばれ、手前2本を削り後ろに被せ物を伸ばしかませてあげる方法です。この方法は延長した部分に強く力がかかり、また手前2本を大きく削るためあまりおすすめできる治療方法ではありません。 ②、手前の2本にクラスプと呼ばれる金具を引っ掛けそれを支えに入れ歯が装着される方法です。2本の歯に力がかかるのと、違和感が強く出たりするため作成しても使わない患者さんが多くいらっしゃいます。 ③、周りの歯には何も負担をかけずこの部分のみで完結できるため、1番シンプルな治療方法だと考えます。 しかし、骨があるかどうかが関係してきます。   患者さんの希望もあり、CTを撮影しシミュレーションをしてみます。 今回の部分の骨の状態を調べ、計測すると 骨の高さが6−7mm、幅が14mm程度とわかります。 上の奥歯の上方には副鼻腔(上顎洞)と呼ばれる鼻につながる空洞があります。 通常のインプラントだけで行う場合、この空洞に届かないよう既存の骨の範囲内で処理する必要があります。   理想的なサイズのインプラントをシュミレーションしてみると、    副鼻腔にインプラントが届いてしまいます。 この場合、前述した通り 7mm以下の短いインプラントを使用する または 骨を作り理想的な長さのインプラントを使用する の2つの方法があります。   患者さんと相談の上、長期的な予後を考慮し、骨を作り理想的なサイズのインプラントで行うこととなりました。 今回行う方法はソケットリフトと呼ばれる治療方法です。 一定量の骨が残っている場合に選択できます。   治療の流れです。 上顎の骨が少なく、インプラントに必要な骨が足りない状態です。   歯茎を切開し、骨の状態を確認します。   専用のドリルを使用し、小さな穴を開けていきます。   周りの骨を押し広げ、副鼻腔の粘膜を傷つけないように上方へ持ち上げていきます。   その部分にできた空間に人工骨を填入し、その人工骨ごと粘膜をさらに上に持ち上げていきます。   人工骨で埋まった空間にインプラントを埋入し、歯茎を縫合します。   この状態で経過観察を行い、しっかりとした骨に置換するのを待ちます。   この方法はインプラントを入れる部分以外には大きな傷を作らないため、侵襲の少ない治療方法ではありますが、細い穴からの処置になるため高度な治療技術が必要になります。 当院では口腔外科専門医2名とインプラントのオペにあたっているため、難易度の高い治療にも対応することが可能です。   オペ後のCT画像です。   実際にシミュレーションしていた部分と同じ位置に埋入できていると思います。 治療前                  治療後     骨が少ないからといってインプラントが無理な訳ではありません。 また、骨を作るにも様々な方法があるため、ケースに合わせてリスクの少ない治療方法をご提案しています。 アズ歯科桶川院では、CT、マイクロスコープなどの精密な機器の使用と、技術、経験値の高い口腔外科専門医との連携により難しいケースにも対応しております。 お気軽にご相談ください。   治療期間 5ヶ月 治療費 ¥550,000 + tax 治療のリスク インプラントが歯周病になる可能性がある    

2023.03.27

定期検診で虫歯を早期発見しよう

虫歯は痛くなってから治療するものと思っていませんか?   「普段忙しいから、なかなか検診に行けてなくて」 という声をよく聞きます。   そういう方は、 痛くなってから仕方なく歯科医院を受診することになると思うのですが、   その場合、   虫歯を削る量が多くなることで、 型をとって銀歯を作らなくてはいけなかったり、 歯の神経にまで虫歯が進行して、 神経の治療まですることになったりと、 結局、歯科医院に通院する回数が増えて、期間も長くなることが多いです。   そうならないためにも、 本日は、 「定期検診で見つける虫歯の大きさとその治療について」 実際の治療を見ていただきます。     20代の患者さんです。 ご本人は「痛いところはないけど検診で」 ということで来院されました。   この写真を見て、虫歯があるのがわかりますか?   おそらくわからないと思います。   虫歯には好発部位があります。 奥歯であれば、①溝の深い部分、②歯と歯の間、です。   パッと見て虫歯がないように見えても、実は虫歯が進んでいることがあるのです。   そういった見落としがないように、 検診ではレントゲン写真も使って、虫歯の検査をします。   どうでしょうか。 実は虫歯があるのですが、わかるでしょうか。     ここです。 歯と歯の間に黒くなっているところがあります。 重なっているのでわかりにくいかもしれませんが、 反対側と見比べてみてください。 こちらにはそのような影はありませんよね。   このように、歯と歯の間の部分はレントゲンのほうが虫歯を発見しやすいのです。 これに気づかずにいると知らぬ間に虫歯が進行して神経が痛くなり、 痛くなってから歯科医院を受診すると、 神経を取らなければいけなくなります。   実際はここに虫歯があったんですね。   それでは、治療の様子を見てみましょう。     歯と歯の間の虫歯の位置を確認して、   表面のエナメル質から削っていきます。 虫歯が見えてきました。 この部分は柔らかくなっており、触るとボロボロ崩れてきます。   虫歯を青く染める検知液も使いながら、 取り残しのないように虫歯になってしまっている部分を削っていきます。   虫歯を取りました。 治療中は麻酔をしているので痛くありません。   虫歯を取りきった後の穴はコンポジットレジンという白い詰め物で埋めます。 これで治療終了です。 早い段階で見つけて虫歯を取ってしまえば、 型をとる必要もなく1日で終わりますし、 銀歯にもならなくて済むのです。   いかがでしたか? 家の鏡で見て、 黒くなってないから虫歯がないと思ってませんか?   でも実は、 こんなに虫歯がひろがっているかもしれません。   定期的に歯科医院で検診を受ければ、 虫歯になっていたとしても小さいうちに早期発見できます。 そうすれば、削る量も最小限で済みますし、 銀歯にならずに済むことがほとんどです。   仕事や家事が忙しくて症状が出るまではなかなか受診できないという状況もわかります。 ただ、 虫歯が大きくなってからでは何度も通院しなければなりませんし、 何よりも歯を削る量が増えてしまいます。   この記事を読んで、定期検診の大切さが少しでも伝われば嬉しいです。 桶川市で歯科医院をお探しの方は、アズ歯科桶川院までお越しください。   治療期間 1日 治療費 保険診療 治療のリスク 欠ける可能性がある  

2023.03.23