ブログ一覧

桶川の歯医者|アズ歯科 桶川院

インプラント + 骨造成(GBR)

右上の前歯の治療相談で来院された患者様です。 他院では抜歯し、その後はブリッジでの治療方法をすすめられたそうです。 レントゲン写真で状態を確認します。 右上の前歯の根の周囲にレントゲンで黒い像が確認できます。 下の画像の赤い部分です。 この部分は菌によって骨が弱くなってしまっている状態です。 根の治療で治すには病巣の範囲が広く完治は難しいこと、根管治療で治らなければ根の先を切断する外科処置である歯根端切除術が必要なことを説明しました。 患者様は抜歯になった場合、両隣の歯を削るブリッジに抵抗があり、そこも迷っているとのことでした。 歯根端切除を行うと、根の周囲の骨も一部削除してしまうため将来的にインプラントが難しくなる可能性もあります。 そういったことを含め相談し、抜歯しインプラントで進めていくことになりました。 抜歯後、歯茎と骨の治癒を待ちCT画像で骨の状態を確認します。 抜歯した部分を横から見た断面図です。 計測すると骨の厚みは3.5mm程度です。 インプラントのポジションを決まるため、シュミレーションしていきます。 太さ3mmほどのインプラントで理想的な位置に置いてみると、インプラントの一部が骨から露出してしまうことが予想できます。 その場合将来的にインプラントが骨から脱落してしまう可能性が高くなります。 そのため、インプラントするには骨を増やす処置(骨造成、GBR)が必要です。。 今回は一定の骨の厚みはあるため、インプラントと同時に骨造成を行う計画を立てました。 口腔外科専門医と歯科医師、アシスタントスタッフの5名で行います。 実際の処置中の画像です。 血などが苦手な方は見るの遠慮していただけたらと思います ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ インプラントを理想的なポジションと角度で埋めた状態です。 インプラントが骨に全周埋まっているのが必要なことですが、一部露出しているのが分かると思います。 この部分に骨を追加するため、吸収性の人工の膜を敷きます。 その部分を支えとし、人工骨で足りない部分を埋めていきます。 この後、しっかりと縫合し終了です。 処置後のレントゲン写真です。 インプラントが埋入されています。 実際に骨を足した部分は下の赤い部分です。 通常、骨のボリュームがしっかりある場合は骨とインプラントがしっかり結合するのに、3ヶ月程度待ちます。 その後被せ物の作製に移行しますが、今回は人工骨が自分の骨と馴染んで十分な強度を得るのに8ヶ月程度待つ必要があります。 術前のシミュレーションしていた部分と比較しても予定通りのポジションに埋入することができていると思います。        このように骨が少ないと実際にインプラントができなかったり、理想的な場所に入れることができない場合があります。 しかし、アズ歯科桶川院には口腔外科専門医が2名在籍し、様々な材料と専門的な技術により難しいケースにも対応しております。 お気軽にご相談ください。   治療期間 8ヶ月 治療費  ¥350,000 + tax(インプラント埋入まで) 治療のリスク 処置後腫れる可能性がある    

2022.08.21

ノンクラスプデンチャー

歯を抜いたら入れ歯を作る必要があります。   もう一度噛めるようにするため、 見た目を改善するため、 周りの歯が移動しないようにするため、 など、入れ歯の役割はたくさんあります。   しかし、 「金具が見えてしまうのが嫌だなぁ」 「入れ歯をしていると思われたくない」 というお悩みをお持ちの方は少なくありません。   そんな時に最適なのが、 ノンクラスプデンチャーです。   クラスプとは金具のこと、デンチャーとは入れ歯のことです。 つまり、金具のついていない入れ歯、ということです。   実際の治療を見てみましょう。     歯周病のお悩みをお持ちの患者さんです。   上下の前歯が歯周病でグラグラになってしまっていました。 歯周病の治療をして残せる状態ではなく、 抜歯をしなければ周囲の歯にも悪影響が出てしまうため、やむなく抜歯をすることになりました。     抜歯後の見た目です。 前歯なので、歯がないことが目立ってしまいます。   周囲の歯はグラグラせず、しっかりしている状態なので、 その歯を支えにして入れ歯を作ることになりました。   ただし、金具が見えないような入れ歯にしたいというご希望がありました。 そこでオススメしたのがノンクラスプデンチャーです。     こちらです。 これは入れ歯を装着している状態です。   いかがでしょうか。 当時、前歯が歯周病で飛び出ていた見た目も改善しています。 ピンクの色の部分がバネのようになっており、隣の歯を支えにして使用します。 使い方は通常の入れ歯と同じです。   笑った時の写真です。 パッと見て入れ歯をつけているように見えないのがノンクラスプデンチャーの最大のメリットです。 また、金具よりも隣の歯にピッタリとハマるので、 すき間に食べ物がつまりにくいのも特徴です。   とくに前歯の入れ歯は金具があると光って目立ってしまうのですが、 この治療法を選択することでそのような入れ歯のデメリットを避けることができます。   もちろんインプラントやブリッジといった治療法を選択することも可能でしたが、 今回は患者さんと相談した上でノンクラスプデンチャーを選択することになりました。   インプラントやブリッジに比べ、 ①手術をしたり歯を削ったりする必要がなく、侵襲が少ない ②抜歯後に歯ぐきの治癒を待って型取りするだけなので、治療期間が短い ③金属を使わないブリッジなどに比べて、治療費が安い といったメリットがあります。   ただし、インプラントやブリッジよりも噛む力は劣ります。 また、入れ歯なので歯みがきの時に取り外したりする必要はあります。   それでも、メリットもたくさんある治療法なので、 気になる方はぜひ一度アズ歯科桶川院までご相談ください。     治療期間 2ヶ月 治療費  ¥80,000(1箇所あたり、部位や形によって異なります) 治療のリスク 割れる可能性がある  

2022.08.20

再根管治療

左下の根管治療で他院からの紹介で来院された患者様です。 1度治療するも改善せず、抜歯もすすめられたとのことです。 レントゲン写真を撮影させていただき、調べてみると 後ろから3番目にある第一大臼歯の根の周囲に黒い像が確認できます。 より細かく見るためCT撮影も行いました。 根の周囲の骨が大きく吸収し、黒く見えるのがわかると思います。 これは根管治療が不十分であったり、歯自体に亀裂が入ったりすると細菌が根の先から出ていき、周囲の骨を溶かしている状態です。 再根管治療が必要な事、亀裂などがあれば抜歯になる可能性を説明し治療していきます。   根管治療について詳しくはこちら↓ https://www.as-dc.com/treatment/endo.html   マイクロスコープ、ラバーダムを使用していきます。 歯の内部の画像です。 薄橙色に見える部分は以前の治療で詰めてあるゴムの薬です。 この部分に感染源である汚れも含んでいるため全て除去します。 除去後の画像です。 材料を取り切ることで、やっと根の先端に器具を入れることが可能になります。 歯に亀裂などの問題点がないか慎重に確認しながら治療を進めていきます。   治療直後のレントゲン写真です。 根の先端までしっかり薬の詰め直しができました。 完全に骨が治癒してくるには時間がかかるため経過観察し、レントゲンでの確認を行います。 半年後のCT画像です。     治療前と比較します。 根の周囲の黒い部分が白くなってきているのが分かると思います。 骨が再生し硬さが増すため、白く写ってきます。 難易度の高い治療でしたがきれいに治すことができました。 しかし、根管治療を何度も受けている歯は歯の厚みが減っているため、今後割れてしまうリスクがあります。 そうならないよう定期的に噛み合わせの確認やレントゲンで周囲の組織の状態を確認していく必要があります。 他院では抜歯と言われてしまったケースでも対応できる場合があります。 アズ歯科桶川院までお気軽にご相談ください。 治療期間 6ヶ月 治療費  保険診療 治療のリスク 再発する可能性、歯が割れてしまう可能性がある  

2022.08.14

📷口腔内写真の大切な役割📷

皆さまこんにちは🌞 今回はアズ歯科でよく行っている口腔内写真についてお話したいと思います。 今までお口の写真を撮った経験が無く、アズ歯科で初めてお口の中の写真を撮ったと言う方もいらっしゃるのではないでしょうか? 「何のために撮ってるのかな?」「何か恥ずかしいな~🫣」なんて思っている方もいらっしゃいますかね? そんな方や、少しでも疑問に思っている方に口腔内写真の必要性、大切さをお話しさせて頂きます。 当院で、まず1番初めに撮影するのが、何も手を加えていない初診時です。 この時に全体像が分かる様に5枚に分けて撮ります。 正面    左側    右側          上                 下                   初診時にどの様な状況だったのかという大切な記録となります。 この写真では、歯の並び、噛み合わせや歯肉の腫れ具合や磨き残しなどの汚れや虫歯など様々なものを見る事ができます。 そして、患者さんご自身が自分のお口の中や歯を客観的に把握することが可能になり、問題点やその改善について正しい理解が生まれます。 百聞は一見にしかずで、どんなに言葉で説明するよりもやはり実際の画像を見た方が確実に分かりやすいものです。   また、初診時の他に治療途中に治療時の経過や状況をお伝えするために撮影します。                ↓            ↓      虫歯の深さであったり、どのくらい自分の歯が残っているかなど一目で分かりますし、どんな治療をしているかも分かりやすいと思います。 これはアズ歯科の診療理念の一つである見える化なのです。歯科への関心が高まるといいなと願いながらお見せしております😌 ドクターは歯の治療で撮影しますが、衛生士達は歯周病治療時などに撮影します。 歯周病は汚れがキレイになっていくと改善していきますのでその経過を撮るのです📷  →    歯石が取れて歯ブラシも上手く行くと赤く腫れてた歯茎が改善していきます。 歯石が取れてキレイになったり、腫れた歯茎が治った様子を写真でしっかり確認できると歯周病治療の意味や必要性も理解しやすいですし、歯ブラシのモチベーションも上がるものです。 病気が改善されてるのかどうなのか曖昧なままですとヤル気も出ませんよね😑 他には、メンテナンス時にも撮影します。これは規格写真で、毎回同じ大きさ、角度などにこだわって正面、左、右、上、下の5枚撮影します。これを経時的に撮ることで肉眼では見落としてしまいそうな変化を確認できたり、記録できたりします。 お口の中で何か変化が起きた時など、過去を振り返って見ることができるのですごく役立ちます✨ この様に口腔内写真は様々な役割を果たしてくれてアズ歯科では無くてはならないものの一つなのです。 ちなみにですが、この口腔内写真、、、撮影するの難しいんです。 カメラは重いですし、鏡をお口の中に入れたり、ピントを合わせて一発で撮っていくのはけっこう技術が必要なのです📷訓練しないと撮影できないんですね😌下手な写真はお見せできませんしねぇ🦷 そんなことも加味していただきながらこれからも撮影にご協力いただき、興味を持って写真を見ていただければと思います🦷📷

2022.08.14

お盆期間中の診療について

お盆期間中も当院は昼休み無しで毎日休まず診療を実施しております。 診療時間はカレンダー通りとなりますので、 平日:9:00~19:00 土日祝;9:00~17:00 です。帰省中の口腔内のトラブルなどございましたら、お気軽にお問い合わせください。  

2022.08.12

マウスピース矯正(下顎のみ)

下の歯の歯並び相談で来られた患者様です。 前歯にがたつきがあり、歯磨きも難しく気になるとのことです。 初診時の写真です。 下の前歯にあるがたつきは、歯を削って被せることで見た目を治すことはできますが、かなり多くの部分削る必要があるためあまりおすすめはできません。 また、上の歯並びはきれいで特に問題はないため、歯並びを改善するには下顎だけの矯正で対応が出来そうな旨を説明しました。 審美的な点と歯の動かす量から考慮し、今回はマウスピース矯正で対応することになりました。 初めに型取りを行いマウスピースを作製し、歯の表面にマウスピースの力が加わりやすくなるようにアタッチメントと呼ばれる白い装置を取り付けます。 今回はマウスピース15枚で終了する治療計画を立てました。 ここから1週間から10日程度でマウスピースを交換してもらい、適切な力で歯を動かしていきます。 3枚目まで進んだ段階です。 10枚目終了時。 治療終了時です。 歯がきれいに並び、歯磨きも楽になったと大変喜んでいただけました。 治療前後で比較します。 歯のがたつきが多い場合、歯を抜いたり、歯を少し削ったりして周囲の歯との隙間を作らないといけない場合もあります。 今回は歯の動かし方に注意し、自分の歯自体には何もせずに並べることができました。 またマウスピースで実際に歯を動かしたのは5ヶ月ほどで、マスクでの生活のため周りの人に気づかれないうちに終わりました。   ケースによって難しい場合もありますが、短い期間で終わらせることができるのもマウスピース矯正のメリットです。 ワイヤーでもマウスピースでも様々なケースの矯正に対応しております。 アズ歯科桶川院までお気軽にご相談ください。 治療期間 5ヶ月 治療費  ¥350,000 治療のリスク 歯が後戻りする可能性がある、適応範囲が限られる  

2022.08.11

歯根端切除術(外科的歯内療法)

根尖性歯周炎という病気はご存知でしょうか。   歯周炎の中でも、根の先から拡がるタイプなので、 通常の歯周炎の治療では治せません。   いわゆる根の治療、神経の治療といわれる治療(根管治療)が必要です。   しかし、 根管治療だけでは治らない場合があるのです。   そんな時に必要な治療が、 歯根端切除術(しこんたんせつじょじゅつ) もしくは、 外科的歯内療法(げかてきしないりょうほう) と呼ばれる治療です。     以前、根管治療後に差し歯にした歯が、 また腫れてきて痛いというお悩みの患者さんです。 根元の歯ぐきが赤く腫れているのがわかります。   レントゲン写真です。 根元の骨が炎症により溶けてしまっています。 実は、以前に歯根端切除術を受けたことがあるということで、 根の先端を削った跡が見えます。 今回は、その部分に病気が再発していることがわかりました。     まずは、通常の根管治療を始めます。 差し歯を外して、根管内をキレイにします。   新しい土台を作って、歯の内部の治療は終了です。   根の先端が以前の治療で壊れてしまっているので、 新しい詰め物をピッタリ詰めることができません。   仮歯をつけたところです。 まだ根元の歯ぐきは赤く腫れており、歯周炎は治っていません。   元の根の形が維持されていない場合、 再治療の成功率は40%程度といわれています。   なぜ成功率が低いのかというと、 ・根管の形が不規則である ・根の先端に枝分かれした根管がある ・以前の治療で根管の形がわるくなってしまっている などの理由があります。   もし再治療をしても腫れが治らなければ、 炎症は拡大してしまうため、 やむなく抜歯を勧められる場合もあるかもしれません。   しかし、 歯根端切除術をすることで、 歯を抜かずに治せる場合があるのです。   どんな治療なのでしょうか。     簡単に説明すると、 病巣内の根の先端を切り取る手術です。   この部分に病気が治らない原因があるから手術で取ってしまおうというものです。       実際はこんな感じです。 先ほどまで見ていた患者さんの手術の様子です。 根の先端をとり、そこに薬を詰めています。   病巣内のブヨブヨした感染組織も取り出します。   手術した直後のレントゲン写真です。 根の先端の骨がなくなっているので黒く見えます。   半年後のレントゲン写真です。 根の先端の黒い部分が少しぼやけてきました。 根尖性歯周炎が治ってきているのです。   CTで見た断面です。 治療前は根の周りに黒い病巣が見えますが、   治療後は骨が治ってきて、 すっかり良くなっているのがわかります。   手術後1年たった時のレントゲン写真です。 根の先の黒い病巣がなくなり、根尖性歯周炎が治癒しているのがわかります。   歯ぐきの赤み、腫れもすっかり治りました。 もちろん痛みもありません。   いかがでしたか?   本日は、通常の根管治療では治らない病気に対するアプローチ、 歯根端切除術(外科的歯内療法)についてのお話でした。   「根の治療をしても治らないと言われた」 「抜歯は避けたい、他に方法がないか気になっている」 「前に治療したところがまた腫れてきた」   気になる方はぜひ一度ご相談ください。     治療期間 8ヶ月 治療費  保険治療 治療のリスク 再発する可能性がある、適応範囲が限られる  

2022.08.07

インプラントを使った入れ歯

歯を多く失ってしまった時、入れ歯を利用して歯のない部分を補う必要が出る場合があります。 入れ歯にも残っている歯の本数によって、形や大きさが変わってきます。 もちろん歯が多数残っていて、小さい入れ歯で済む方が違和感などは少なくなります。 下の写真のように左上の奥歯のみ失ってしまった場合は部分入れ歯となりますが、安定を得るため反対側の歯でも固定する場合があります。 この上顎を覆う部分に舌が当たるため、発音しずらい、食べずらいなどの違和感が出ることが多くあります。 もっと多くの歯を失ってしまうと総入れ歯など上顎をほぼ覆う必要が出てきます。 長く使っていけば慣れるケースもありますが、違和感がなかなか消えず上手く使用できていない患者様もいらっしゃいます。 今回は入れ歯の違和感で相談にこられた患者様です。 上のレントゲン写真で見るとわかるように、上の歯は写真の左側の歯(口の中では反対のため右側)3本のみ残存しており、下の歯と歯同士での噛み合わせがなくすれ違っている状態です。 噛みづらいことと入れ歯の大きさに違和感があって慣れないとのことでした。 入れ歯を使用しない場合、失ってしまった部分をインプラントで置き換える方法があります。 しかし、インプラントの本数が多いと金額も高額になってしまうため、なかなか難しいと感じる患者様も多いと思います。 そのため今回は金額も抑え、入れ歯の違和感を減らすために少ないインプラントで厚みが薄く、短い形態の入れ歯で対応することをおすすめしました。 インプラント処置後のレントゲン写真です。 実際の口の中の状態です。 右上の自分の歯と左側のインプラントを固定源とし、入れ歯を使用してもらいます。 入れ歯が入った状態です。 上顎を覆う部分が少なくなり、発音の問題や違和感も解消するできました。 また、骨に結合しているインプラントと固定しているため、入れ歯の動きはほとんどなく固いものも何でも食べれると喜んでいただけました。 その後右下の部分にもインプラントを希望されたため、処置を行いました。 処置後のレントゲン写真です。 口の中の写真です。 正面から見たところ。 入れ歯の金具を後ろに持っていくことが可能になり、見た目にもあまり影響がでない設計で作製できました。 インプラントと入れ歯を含んだ複雑なケースですが、処置後も問題なく定期的な健診でチェックさせていただいています。 歯科医師、口腔外科専門医、歯科技工士が連携をとり他の医院では提案されていないような治療方針もご提案できる場合があります。 アズ歯科桶川院へお気軽にご相談ください。 治療期間 8ヶ月 治療費  ¥1,500,000 + tax 治療のリスク インプラントが歯周病になる可能性がある

2022.08.07

8月の診療について

8月は臨時休診無し、お昼休み無しで毎日診療を実施いたします。 矯正日が8月1日(月)、8月7日(日)、8月27日(土)、8月28日(日) 外科日が8月11日(木・祝)です。 お口の中でお困りのことがありましたら、お気軽にご相談ください。

2022.08.01

「4人に1人は酸蝕症」って知ってますか?

今年の夏も暑いですね。 暑いとついつい飲みたくなるのがキンキンに冷えた炭酸飲料やジュースではないでしょうか。     水滴のついた氷いっぱいのグラスでいただくコーラ、 お祭りやBBQなどで飲むラムネ、 運動してたくさん汗をかいた後に飲むスポーツドリンク、   どれも夏の風物詩ともいうべき瞬間で、最高ですよね。 冷たい飲み物を飲むことは、熱中症対策のための水分補給としても欠かせません。   しかし、そんな夏の習慣にも、歯にとっては注意しなければいけないポイントがあるのです。   ずばり、「酸蝕症(さんしょくしょう)」です。     酸蝕症って? 私たちの口の中は、普段は中性のpH値7前後に保たれています。 しかし、飲食物や胃酸の影響でpH値5.5以下になると歯は溶けやすくなります。 歯が溶けてしまうと、食べものを噛んだり、歯みがきをする時の摩擦でどんどんすり減ってしまいます。   むし歯 → むし歯菌が糖質を分解して作る酸によって歯が溶ける 酸蝕症 → 酸性の飲食物などで直接歯が溶ける   冷たいものがしみる知覚過敏症になったり、むし歯が進行したりするなど、さまざまなトラブルを引き起こすことになるのです。     現在、国内での酸蝕症の罹患率は26.1%(2014年)であり、国民のおよそ4人に1人に上ることがわかっています。 酸蝕症はむし歯や歯周病につづく第三の歯の疾患と考えられているのです。   一度鏡でご自分の歯をチェックしてみてください。 ・歯の表面がツルツルして艶がある ・前歯の先端が透けて、ヒビが入ったように見える ・奥歯が以前よりも黄色く見える 酸蝕症にはこのような見た目の特徴があります。 当てはまるものはないでしょうか。     酸蝕症になる原因は? なぜ炭酸飲料やジュースが酸蝕症に影響するのでしょうか。 皆さんはご自分が普段飲んでいる飲み物のpH値を考えたことはありますか? 誰もが一度は理科で勉強したことのあるpH。 pH値が低いほど酸性が強いということになります。 実験で扱う液体だけではなく、飲み物にも酸性が強いものとそうでないものがあるのです。 炭酸飲料などはpH値2.2~2.9、オレンジやミカンなどの果汁飲料はpH値4.0前後が多く、ビールもpH値5.0以下のものがみられます。 これらの飲み物をよく飲んでいる人は、酸蝕症の危険があるということになります。 牛乳や麦茶などはpH値6.0程度のため、酸蝕症のリスクはほとんどないと考えられます。 なお、飲食物のpH値だけで判断するのではなく、酸の種類によってもリスクが異なるために注意が必要です。 ソフトドリンクに含まれることの多いクエン酸とリン酸を比較すると、クエン酸のほうが、酸蝕症のリスクが高いといわれています。   また、もう一つの要因として挙げられるのは、塩酸からなる胃液です。 胃液のpH値は1.0~2.0と強酸のため、これが口の中に流れ込むことによって酸蝕症を引き起こしてしまうことがあります。 逆流性食道炎、拒食症、アルコール中毒、摂食障害などで嘔吐などを引き起こすと、胃液が歯に悪影響を与えかねません。 これらの疾患があり酸蝕症を引き起こしている場合、疾患を元から治療することが必要です。     酸蝕症の対策は? 酸蝕症に対して、どのように気をつければいいのでしょうか。 食後30分の間は歯を磨かないほうがいいという意見があります。 新聞やテレビで多く取り上げられているため、聞いたことのある方もいるかもしれません。 食後は口腔内細菌が酸を出して口の中のpH値が下がります。 唾液の効果で30分ほどで正常なpH値に戻るのですが、その間に歯をみがくことで酸蝕症が進行してしまうリスクがあるからだというのです。 これに対して日本小児歯科学会は、 「子どもが通常の食事をしたときは早めに歯みがきをして、歯垢とその中の細菌を取り除いて脱灰を防ぐことのほうが重要」という見解を表しています。 酸性飲料を飲んだとしても、エナメル質への酸の浸透は象牙質よりずっと少なく、唾液が潤っている歯の表面は酸を中和する働きがあります。 酸性飲料の頻繁な摂取がない限り、すぐには歯が溶けないように防御機能が働いているので、一般的な食事では酸蝕症は起こりにくいと考えられるからだといいます。 子どもの歯みがきの目的は、むし歯予防のために歯垢の除去、すなわち酸を産生する細菌を取り除き、その原因となる糖質を取り除くことです。 歯みがきをしないままでいると、歯垢中の細菌によって糖質が分解されて酸が産生されて、歯が溶け出す脱灰が始まります。 このように、歯垢中の細菌がつくる酸が歯を脱灰してできるむし歯と、酸性の飲食物が直接歯を溶かす酸蝕症とは成り立ちが違うものだという説明です。   また大人の場合でも、「酸性飲食物の摂取直後のブラッシングは避ける」としながらも、「食後のブラッシングはこれまで通り、むし歯の予防に有用といえる」とされています。 つまり、極端に酸性食品が多いメニューでない通常の食事の場合には、食後の歯みがきはむし歯を予防するために必要だということです。   ただし、この2つのグラフを見てください。 食事の間隔をしっかり空けていると口腔内のpH値が元に戻って再石灰化できるのですが、ダラダラ食べ続けているとpH値が戻らず歯が溶けやすい状態が続いてしまいます。 むし歯に対してよく言われていることですが、酸蝕症対策としても、しっかりと間隔を空けて食事をとることが大事です。   さて、これまでの食習慣によって、酸蝕症が進行してしまっているのではないかと心配する人もいるでしょう。 酸蝕症は自分では気づきにくいので、そんな場合は一度受診してください。 通院するのは歯の痛みを感じたとき、という人も多いかもしれませんが、むし歯も歯周病も酸蝕症も早めの対応が重要です。 自分の歯がどんな状態にあるのか、確認しておくことをお勧めします。     また、酸蝕症の予防には適切なブラッシングを心がけることが大切です。 ブラッシング圧(歯みがき圧)は、毛先を歯面に当てた時、毛先が軽くたわむ程度(150~200g)がいいとされており、圧が強すぎたり乱暴であればエナメル質は摩耗します。 ブラッシング方法についても、受診していただいた患者さんにお話ししています。 ぜひ一度ご相談ください。     参考文献: 「各種飲食物の酸性度と酸蝕歯の関係」(北迫勇一)日本歯科医師会雑誌 Vol.63 No.9 2012-12より 「子どもの発育と酸蝕歯」(朝田芳信)子どもと発育発達(日本発育発達学会編)Vol.12 No.3より 「各種飲食物の酸性度と酸蝕歯の関係」(北迫勇一)日本歯科医師会雑誌 Vol.63 No.9 2012-12より 「食後の歯みがきについて」(日本小児歯科学会) より 「食後30分間、ブラッシングを避けることの是非」(日本口腔衛生学会 フッ化物応用委員会) より 「子どもの発育と酸蝕歯」(朝田芳信)子どもと発育発達(日本発育発達学会編)Vol.12 No.3より

2022.07.31