症例集

桶川の歯医者|アズ歯科 桶川院

メタルフリーってなに?

「銀歯をとって白くしたい」という希望があり来院されました。   上下の奥歯に金属の詰め物がついていました。 光るので見た目にも目立ちます。   それ以外に、金属が劣化して噛みづらいというお悩みもありました。 表面が荒れているのがわかります。   下の奥歯にも小さい金属がありました。 こちらも治療希望です。   それでは、始めていきましょう。 上の歯の治療   まずは上の奥歯の金属を外します。 すると、なかに古い詰め物が入っているのが見えます。   それも外すとその奥に根の治療をした際に詰めてある材料が見えてきました。 今回はこの歯の周りに炎症はなかったので、   新しいコンポジットレジンという白い材料で埋めました。 むし歯はなかったので、歯の中の治療はこれでおしまいです。     下の歯の治療 続いて、下の奥歯の治療をしましょう。 この金属の詰め物を外すと、   こちらも古いセメントがあり、変色していました。 きれいに取り除いて、   コンポジットレジンという白い材料で埋めました。 こちらは詰め物が小さいのでこれで強度は十分、治療はおしまいです。     あとは、上の奥歯に新しい被せものを作りましょう。 この状態で型をとり、技工士さんに依頼します。     できあがった被せものがこちらです。 今回はジルコニアというセラミックの被せものにしました。   いかがでしょうか? しっかりと歯の形を再現した白い被せものはきれいです。   治療の前後を見比べてみる 治療前 治療後     治療前 治療後     治療前 治療後     お口のなかに金属がなくなると、見た目の印象はだいぶ変わりますよね。 奥歯のほうでも金属が反射して光ると少し気になるものです。   また、後日お話を聞いてみると、 奥歯で噛みやすくなったそうです。   金属は時間が経過すると表面が荒れて、 食べ物をすり潰しづらくなってしまいます。   セラミックは非常に硬度が高く、表面が荒れづらく長持ちするという特徴があります。 もちろん、金属ではないので、金属アレルギーの方にも安心しておすすめできる材質です。   気になる方はぜひ一度アズ歯科桶川院までご相談ください。     治療期間 1ヶ月 治療費 ¥100,000  +  tax 治療のリスク 歯を削る必要がある  

2025.01.12

矯正治療してからセラミック治療を

前歯を治したいというお悩みで来院されました。   上の前歯が出てしまっています。 原因は、下の歯です。 下の歯が伸びて、上の歯を押してしまっているのです。   この状態で、 「上の歯にキレイな白いセラミックを入れて治したい」 と思っても、下の歯がそこにあるので、できないのです。   そこで、歯科矯正治療です。 矯正治療開始   ワイヤーをつけて、歯の位置を上下とも動かします。 もともと出っ歯になってしまっていた上の歯も、まっすぐ向き直してきました。   矯正治療においても、出っ歯の上の歯だけを引っ込めたいと思っても、 下の歯がじゃまして動かないので、上下で治療する必要があるのです。   矯正治療前 矯正治療後 出っ歯になっていた歯は歯ぐきが下がり、根元が見えたままになっています。     矯正治療前 矯正治療後 以前は下の前歯が上の前歯を押してしまう位置にありましたが、 治療後は、上の歯に無理な力がかからない位置になりました。   歯科用コーンビームCT検査 歯ぐきが下がっている歯の周りの骨がなくなっているのがわかります。   歯ぐきが下がっている歯は、歯根の外側が吸収しており、 歯周病の治療で治る状態ではありませんでした。   この歯の歯周病の影響で、隣の歯までわるくなる前に抜歯をします。   抜歯をしました。 CT検査で見た通りの形です。 歯周病の影響で歯の根が吸収していました。   抜歯当日の写真です。 歯ぐきから出血しているのがわかります。   ここから歯ぐきの治りを待ちます。   抜歯してから1ヶ月後の写真です。 歯ぐきが治ってきました。   セラミック治療開始 最初にブリッジ治療で抜いた歯の補綴(ほてつ)をします。 これはセラミックの色を決めるため、 シェードガイドというものを使って患者さんの歯の色がどんな色か確認しています。 この色に合わせてセラミックのブリッジを作ります。     セラミックのブリッジができました。 これで一通りの治療が終了しました。   治療の前後を見比べてみましょう。     治療前 治療後     治療前 治療後     治療前 治療後     治療前 治療後     いかがでしたか?   前歯をキレイにしたいというご希望の患者さんはたくさんいらっしゃいますが、 内容や治療法はさまざまです。   そのかたのお悩みに沿った治療がご提案できればと思いますので、 気になる方はぜひ一度アズ歯科桶川院までご相談ください。     治療期間 3年 治療費 ¥1,200,000  +  tax 治療のリスク 矯正後に歯が後戻りする可能性がある 予定通り歯が動かない可能性がある 歯茎が下がってしまう可能性がある  

2024.12.16

口元が変われば印象が変わる

数本の歯の形や見え方を変えたい場合、セラミックなどの被せ物で治療することも可能ですが 多数の歯にわたる歯並びを治したい場合、基本的に矯正治療が必要になります。 一概に矯正治療といっても、ワイヤー矯正、マウスピース矯正、表側矯正、裏側矯正、部分矯正など様々な治療方法があります。 患者さんの要望、歯並び、金額、期間などを考慮し、相談の上、治療方法が決まりますが、しっかりと治療方針の擦り合わせをし、診査、診断を進めていくことがとても大事だと考えられます。   今回のケースです。 歯並びの相談で来院されました。 初診時の写真です。 上の前歯の引っ込んでいる部分が特に気になるとの事です。 また、前歯の長さがずれていること、所々にねじれがあるのも気になるそうです。 下の前歯は少しだけずれがあります。   部分的に気になる部分だけをセラミックで治す方法もありますが、 ○健康な歯を削ること ○セラミックなどの保険外治療を希望した場合、費用が多くかかる可能性があること がデメリットとして挙げられます。 年齢も若く、処置している歯も少ないため今回は矯正治療をお勧めしました。   矯正も様々な方法がありますが、マウスピース矯正が1番適していると考えられ、治療プランを相談させていただきました。 型取りを行い、矯正前後のシュミレーションを行います。   治療前                  治療後 内側に入っている歯を前に出すには隙間が足りないため、歯と歯の間を0.5mmほど削る必要があります。 それによってできたスペースに前歯を並べ、段差をなくしていくプランです。 削ることに抵抗を感じる方もいらっしゃいますが、歯へのダメージが出ない範囲内での処置になります。 また、歯の表面には歯にかかる力を最適にするためのアタッチメントと呼ばれる白い装置を取り付けます。 治療内容、金額、期間などを提示し、同意が得られたため治療に移行します。   治療終了時の写真です。   治療前後で比較 治療前                  治療後 内側に入っていた歯もきれいに並び、前歯の長さも揃いました。 下の前歯の段差もなくなり、きれいな歯並びにすることができ、とても喜んでいただけました。   今回、歯並びがきれいになったことで色もきれいにしたいとホワイトニングも希望されました。 ホワイトニングは患者さん専用のトレーを作成し自宅で行ってもらうホームホワイトニングと歯科医院で専用の薬剤、スタッフにて行うオフィスホワイトニングがあります。 患者さんは自宅でやるのは手間との事で、オフィスホワイトニングをすすめることになりました。 ホワイトニング前後の比較 処置前                 処置後 1回の処置で1トーン明るくなりました。 患者さんの歯の色の濃さや色の種類によっては長く期間がかかる場合もあり、そのようなケースではホームホワイトニングの併用もおすすめします。   今回のように矯正とホワイトニングをセットで行う患者さんは最近とても増えています。 口元が変わると印象が変わり自分の自信にもつながると思います。 無理な矯正治療やセラミック治療はおすすめしませんが、しっかりと計画を立てリスクの少ない治療方法を選択して行う事はとても良いことだと考えています。 アズ歯科桶川院までお気軽にご相談ください。 治療期間 5ヶ月 治療費 ¥520,000  +  tax 治療のリスク 矯正後に歯が後戻りする可能性がある 予定通り歯が動かない可能性がある 歯茎が下がってしまう可能性がある ホワイトニングの歯の色が後戻りする可能性がある  

2024.12.02

大きな根尖性歯周炎は治せない?

答えから申し上げると、   治ります。   条件によって異なりますが、病巣の大きさはそこまで重要ではありません。     根尖性歯周炎(こんせんせいししゅうえん)が治るかどうかで大事なのは、 病巣の大きさよりも、 残っている歯の状態がどれくらいか、なのです。     歯の根もとにむし歯があるから治したいとのことで来院されました。 歯ぐきの中までむし歯がひろがっていそうです。     レントゲン写真 歯の根の先に見える黒い影がわかりますか?   これが根尖性歯周炎です。   イラストにしてみると... むし歯菌が歯髄(しずい)とよばれる歯の神経に感染すると、歯髄は壊死してしまいます。 その後、壊死したところから細菌が骨にまでひろがっていくと、 このように骨に穴があいて、なかに膿がたまります。   膿を直接とるには、歯を抜かなければなりません。 歯を抜かなくても治りそうなのであれば、 まずは感染している根管(こんかん)をきれいに洗浄していきます。     治療開始 まずは銀歯を外します。   すると、銀歯をつけていたセメントが劣化して黒くなっているのがわかります。 このセメントや、その下にひろがっているむし歯の部分を削っていくと、   残った歯はこんな感じです。 根の分かれ目のところまでむし歯だったので、くぼんで見えます。 真ん中に見える穴が根管です。 この中を洗浄していくのですが、 唾液が入ってしまうと唾液中の細菌がまた感染してしまうので、 隔壁(かくへき)とよばれる壁をつくります。   こんな感じです。 ここでラバーダムというゴムのシートをかけることで、 口腔内と根管とをへだてて、唾液や薬液が行き来しないようにします。     ラバーダムをした状態です。 マイクロスコープでのぞいています。 ここまできてやっと根管内を洗浄することができます。   洗浄した後の状態です。 根管内がきれいになったらガッタパーチャポイントという材料で穴を埋めます。   根管治療が終わった時点でのレントゲン写真です。 レントゲンで白く見えるのが詰めた材料です。 うまくいけば根管内から骨のほうへ細菌の侵入をふせぐことができ、 骨のなかの炎症がおさまります。     根管治療から1年後のレントゲン写真です。 根の先の黒いところがなくなったのがわかりますか? これで根尖性歯周炎が治ったと言えます。   治療前後の比較 治療前 治療後 大きかった病巣もすっかりなくなり歯周病は治りました。 この先、根の病巣が再発することは早々にはまずないと思います。   治療前 治療後 歯が二股に分かれているところまでひろがっていた穴は、銀歯をかぶせて補綴(ほてつ)しました。 これで治療はおしまいです。 今後心配なことは、この二股のあたりに残っている歯が薄いことです。 もしここに亀裂が入ると歯周病がすすんで腫れてきます。 そうなると、残る治療法は抜歯です。   冒頭に書いた、 根尖性歯周炎(こんせんせいししゅうえん)が治るかどうかで大事なのは、 「病巣の大きさよりも残っている歯の状態」 ということです。   いかがでしたか?   「病巣が大きいから抜歯です」 と言われて悩んでいる方はぜひ一度アズ歯科桶川院までご相談ください。   治療期間 3ヶ月 治療費 保険診療 治療のリスク 治療した歯に亀裂が入る可能性がある 細菌の感染により再度根管治療が必要になる可能性がある  

2024.11.24

レントゲン検査は大切

歯科の健診などで口の中を診てもらうことがあると思います。 歯科医師が虫歯などの診断をする場合、 実際口の中に直接虫歯が露出していて見つけられるケースと 詰め物や被せ物の下に隠れていてレントゲンなどで見つけられるケースがあります。 現在では、口の中の診査でルーペやマイクロスコープ、ライトなどの視野を拡大ができる器具が増えています。 しかし、治療してある部分の中や骨の状態などはレントゲンでないと確認できません。   今回のケースです。 上の奥歯が冷たいもので痛むことを主訴に来院されました。 学校の歯科健診では何も問題がなかったとのことです。 中学生の男の子です。 まず口の中を見てみます。 一番奥の歯に症状があるとのことです。 以前に治療の経験がある歯で白い樹脂で修復されています。 表面上は虫歯は確認できません。 レントゲンを撮影し、より細かく調べます。 上の赤丸の部分は詰めてある樹脂の下に空洞、もしくは虫歯がある可能性があります。 治療の必要性を説明し、樹脂を除去します。 除去してみると内面が虫歯になっています。 虫歯を全て除去し、神経を守る薬剤を使用後、樹脂で再度修復していきます。 治療はここで一旦終了になりますが、神経の近くまで虫歯が進んでいた場合、神経自体が菌に感染してしまい、後日神経の治療が必要になる場合があります。 そのため、しばらくは経過観察が必要になります。 この状態でずっと何も起こらないこともありますが、今回は半年ほど経過したのち、歯茎が腫れたと来院されました。 検査にて神経が死んでしまっているのが確認できたため、応急的に根管治療を開始しました。 根の形と周囲の骨の状況を確認するため、CTを撮影させていただきました。 上の図の赤丸の部分は根の周囲が黒くなっているのが分かると思います。 これは菌の感染により周囲の骨が溶けてしまっている状態です。 子供の根管治療の場合、年齢によっては根が完成しておらず、根管治療の難易度が上がることがあります。 今回は幸いにも根は完成しており、通常の根管治療で対応可能と判断しました。   マイクロスコープ、ラバーダムを使用し丁寧に根管治療を行います。 治療後のレントゲン写真です。   < 治療前後の比較 根の周囲の黒かった部分が小さくなってきているのが分かると思います。 これはこの部分に骨が再生してきている状態です。 骨の溶けている範囲が広く難易度の高い治療でしたが、しっかり改善することができました。   今回のように目で見ただけでは問題ないように思えても、レントゲンにより虫歯を見つけることができる場合があります。 また、骨の状態をCTで確認することで、根の形や根管治療の状態の判断ができます。 患者さんによってはレントゲンの撮影を好まない方もいらっしゃいますが、現在のレントゲン撮影自体でのX線などの被曝量は少なく、防護服も使用しての撮影になるため健康への影響も心配ありません。 撮影するかどうかは最終的に患者さんの希望になりますが、正確な診断と治療方針の決定、また虫歯や周囲骨の状態のチェックなどにレントゲン撮影は不可欠だと考えます。   小児から高齢の方まで、一般治療から矯正治療、外科治療まで様々なケースに対応しております。 アズ歯科桶川院までお気軽にご相談ください。 治療期間 3ヶ月 治療費 保険診療 治療のリスク 治療した部分が欠けてしまう可能性がある 細菌の感染により再度根管治療が必要になる可能性がある  

2024.11.19

ちょっとだけ歯並びが気になるなら

全体の歯並びはそこまで気にはなっていないが、一部だけ気になっている方は多いんじゃないでしょうか。 歯並びを治す場合、以前ではワイヤーをつけて治すケースが多かったのですが、マウスピース治療の技術の進歩により現在は症例に合わせてワイヤーとマウスピースを選んで治療できるようになりました。 それぞれの治療方法は装置の種類や見た目などの違いもありますが、歯の動かし方が違うため、向いている症例と向いてない症例があります。 そのため、患者さんがマウスピースを希望してもワイヤーの方が適している場合などもあり、細かい相談が必要になります。   今回のケースです。 右上の前歯が内側に入っているのが気になることを主訴に来院されました。 治療前の写真です。 上顎の真ん中から右へ2本目の歯が内側に入っている状態です。 それ以外の歯並びは大きく問題はなさそうですし、患者さん自身も気にしていませんでした。   この部分のみを治す場合 ・セラミックなどの被せ物で歯の形と角度を変える方法 ・部分矯正 の2つに分かれると思います。 セラミックなどで治す方が短い期間で行えますし、安い金額で済むと思います。 しかし、歯を削ってしまう事、角度を変えるために神経を取る事はかなりのデメリットだと考えます。 そこで、今回は期間は少し伸びますが矯正をお勧めしました。   まず始めに矯正検査を行います。 当院のマウスピースはインビザラインと呼ばれるシステムを使用しています。 インビザラインには患者さんの歯並びのデータ、レントゲン写真、顔写真が必要になります。 資料を採取し、矯正治療のシュミレーション(クリンチェックと呼ばれます)を作製し患者さんに確認してもらいます。 気になる部分があれば修正を行い、出来るだけ理想的な治療ゴールを目指します。   今回のクリンチェックです。 治療前   治療後   患者さんに了承を得てから、マウスピースの作製を依頼します。 2、3週間ほどでマウスピースが完成するので、口腔内に装着していきます。 ケースによってマウスピースの枚数は異なります。 また、ケースによって7〜10日と1枚ごとに使用する日にちを調整します。   マウスピース矯正は患者さん自身で最低1日あたり20−22時間の使用が必要です。 そのため、使うのを忘れてしまったり、無くしてしまったりすると矯正治療がうまくすすみません。 ワイヤー矯正に比べ、取り外せること、審美的なことなどメリットはたくさんありますが、患者さん自身でしっかりと管理していく必要があります。 治療開始前にそういった注意事項や使用方法などを説明する時間を確保しています。   矯正治療後の写真です。   治療前後の比較 内側に入っていた歯もきれいに並びました。 今回は15枚のマウスピースを使用したため、15週間で終了しました。 患者さんも使用方法をしっかり守って治療に協力していただけたのでスムーズにすすめることができました。   矯正治療はとても難しい治療です。 ケースによっては予定通り歯が動かず、治療期間が伸びてしまう場合もあります。 事前の診査、診断がとても大事ですし、処置を行う歯科医師の経験値もとても大切です。 アズ歯科桶川院では矯正専門医3名、インビザラインドクター3名が日々診療にあたっています。 お気軽にご相談ください。   治療期間 5ヶ月 治療費 ¥500,000  +  tax 治療のリスク 矯正後に歯が後戻りする可能性がある 予定通り歯が動かない可能性がある 歯茎が下がってしまう可能性がある  

2024.10.29

生えてこない歯を出す方法があります

「大人の歯がなかなか生えてこないんですよね」 というご相談で歯科医院を受診される方はけっこう多いです。   たいていは、そのまま様子見で大丈夫なのですが、 中には検査してみたら治療が必要な場合があります。   今日はそんなお話です。     13歳の患者さんです。 右下の前から4本目の歯がまだ乳歯です。   レントゲン写真を撮りました。 大人の歯はちゃんとありました。 ただ、他の歯は正常に生えてきてるのにこの歯は埋まったままです。 これ以上待っても自然に生えてこないと判断し、乳歯を抜歯しました。   しかし、 抜歯後しばらく待っても大人の歯が生えてきませんでした。   このままでは、全体の歯ならびに悪影響が出てくると判断し、 矯正治療で大人の歯を誘導することにしました。 治療過程 まずはワイヤーを装着します。   生えてこない歯の真上にワイヤーがくるように調整します。   レントゲンだとこんな感じです。   ここからは外科処置になります。 苦手な方はとばしてください。         歯ぐきを切開してめくると骨が見えてきます。 この中に大人の歯が埋まっているので、   表面の骨を削って、大人の歯を露出させます。   そこにボタンをつけて、真上のワイヤーまでの間を結紮線(けっさつせん)で結び、引っ張ります。   処置後は歯ぐきを戻して縫合します。 あとはこれで数ヶ月待つと、 埋まっていた大人の歯がだんだんと生えてくるんです!         レントゲンではこんな感じです。 他の歯と同じくらいまで生えてきました。   微調整をしながら矯正治療を進めていくと、   埋まっていたとは思えないほど綺麗に歯がならびました。   治療の前後を見比べてみる   治療前 治療後   治療前 治療後   いかがでしょうか?   「乳歯が抜けたのに大人の歯がなかなか生えてこなくて心配」   という方への治療の一例でした。   みんながこういう治療が必要というわけではないですが、 気づくのが遅れるとできない治療でもあります。   気になる方はぜひ一度アズ歯科桶川院までご相談ください。   治療期間 3年 治療費 ¥1,000,000  +  tax 治療のリスク 矯正後に歯が後戻りする可能性がある  

2024.10.25

その痛み、歯が原因ではないかも?

左上の奥歯が全体的に痛いというお悩みで来院された患者さんです。   歯ぐきが腫れているところはなさそうでした。   どこか欠けているとか、むし歯になって穴があいているところもありません。   パノラマエックス線写真による検査をしました。 こちらでも同様に歯周病やむし歯になっている所見はありません。   では、なぜ痛いのでしょうか。 レントゲンでも原因がわからない場合、以前治療されている歯の被せ物を外して中をチェックしてみたり、噛み合わせに問題がないか確認します。 ただ、それでも痛みが改善しないなんてこともあります。   「ほかの歯医者さんで一通り検査して問題ないって言われたんだけど、でも痛いんですよね」 というご相談で来院される患者さんもいらっしゃいます。   今回の患者さんは、奥歯の痛みのほかに、 「歩いていると頬のあたりがズンズン響く感じがする」 という症状がありました。   痛みの原因として、一つ心当たりがあったので、 歯科用コーンビームCT検査をしてみました。   こちらが検査結果です。 この画像に向かって右側、患者さんからすると左側の上の奥歯のまわりに注目してください。 鼻の横の空洞、上顎洞と呼ばれる副鼻腔の中がグレーになっていますが、 粘膜が腫れていて中に膿が溜まっているのがわかります。 上顎洞炎といいます。 歯の根の先の炎症が上顎洞に波及して上顎洞炎になることもありますが、 CT検査では歯の炎症はありませんでした。 鼻の粘膜が腫れている様子があるため、そちらから細菌感染、炎症を起こしている可能性が高いと判断しました。 その場合、歯の治療は必要なく、上顎洞炎に対して有効な抗生剤を服用していただき、治癒するか経過をみます。   今回は抗生剤を服用していただき、1週間後に来院された時にはすっかり症状も改善しており、奥歯の痛みもありませんでした。 もし症状の改善がみられなければ耳鼻科を受診していただくことになります。   今回のように、奥歯が痛いというお悩みでも、じつは原因が歯ではないということがあります。 その原因を突き止めるために、今回のような歯科用コーンビームCTや、マイクロスコープ等、さまざまな検査機器を用いて診断を行うことができます。   ご興味のある方はぜひ一度アズ歯科桶川院までご相談ください。   治療期間 1週間 治療費 保険治療 治療のリスク 痛みが改善しない可能性がある

2024.10.16

むし歯治療の流れはこんな感じです

むし歯の治療ってどんな感じなんだろう? という疑問についてお答えします。   本日は、奥歯のむし歯、かつ、けっこう大きめのむし歯の治療について、実際の治療例をお見せします。   奥歯に痛みがあり、来院された患者さんです。 それぞれ以前むし歯治療をされている跡があり、金属とプラスチックの詰め物が入っています。   レントゲン写真による検査 2本の歯の間に黒い影が見えます。 これがむし歯です。 表面から目視してもわかりづらかったかもしれませんが、レントゲンだとこのようにむし歯の範囲を確認することができます。 金属の詰め物が入っているほうの歯はむし歯がけっこう深そうです。   治療開始 それでは、実際に詰め物を外してむし歯の治療をはじめましょう。   こちらはプラスチックの詰め物が入っていたほうの虫歯です。 隣の歯との間からむし歯が広がってしまっているのがわかります。   ただ色が黒くなっている部分を削っているわけではありません。 触って軟らかくなっている部分や、う蝕検知液を用いた検査などにより、むし歯菌に感染してしまっている部分を確認しながら削っていきます。   削る工程が済んだら、コンポジットレジンという材質で穴を埋めます。     続いて、 金属の詰め物が入っているほうの歯の治療です。   先ほどと同じようにまずは詰め物を外してむし歯になっている部分を確認したら、   削るべき部分を判断しながら進めていきます。   すると、こちらはむし歯がより進行していたので、   このように奥のほうの神経、歯髄が見えてしまっています。 このままだと歯髄が炎症を起こして痛くなるため、歯髄を取ることになってしまいます。   そこで、このように専用のセメントを用いて露出してしまった歯髄を保護します。 これを覆髄といいます。   その後、同じようにコンポジットレジンで穴を埋めます。   2本ともむし歯が大きく進行しており、広い範囲の処置をしました。 一度コンポジットレジンという材料で穴を埋めましたが、この材料では強度が足らず、食事中に欠けてしまう可能性があります。 そこで、この上から金属の詰め物を作り、歯の形を回復する工程に進みます。   金属の詰め物がはまる形を作りました。 むし歯になって穴がボコボコしている状態では金属の詰め物はピッタリはまらないため、スムーズな形に調整します。 また、詰め物が外れないように段を作ったりと、さまざまな工夫が必要になるところです。   このくぼみの型をとり、模型を作ったら、技工士さんにお願いして金属の詰め物を作ってもらいます。   できあがってきた新しい金属の詰め物をはめたところです。 ここでピッタリの詰め物が入ることは、歯みがきしやすい状態につながり、再度むし歯にならないための大切な条件となります。 そのためには、くぼみの形作り、型とり、模型おこし、技工士さんの詰め物の精度etc.さまざまな要素が絡んできますが、各工程で細心の注意を払って進めていく必要があります。   それでは、今回の治療を振り返りましょう。   1つ目   2つ目   治療後はしっかり噛めるようになり、痛みもなくなったので、患者さんに喜んでもらえました。   いかがでしたか? 今回は歯髄に近づいていた大きめのむし歯の治療の工程をお話ししてきました。 もし、痛くなってしまった場合は根管治療が必要になる場合もあります。   当院では各治療でこのように写真で記録をとり、治療後に見てもらうようにしております。 「むし歯の治療ってどんな感じで進んで、何をされてるんだろう」 と感じておられる方が多いので、今回少しでも内容が伝わりましたら幸いです。 桶川市で歯科医院をお探しの方はアズ歯科桶川院までお越しください。   治療期間 2週間 治療費 保険治療 治療のリスク 歯が割れてしまう可能性がある  

2024.10.07

根管治療は基本が大事

根管治療後、上手く改善せず悩まれている方が多くいらっしゃいます。 そういった方々がセカンドオピニオンで当院にも多く来院されます。 根管治療は根の中に菌が侵入することによって、内部の神経が感染してしまい、放置することによって膿が溜まったりしてしまうため、感染してしまった神経と菌を除去する治療です。 根の中はとても複雑な構造をしており1度菌の侵入が起こってしまうと、完全に菌をなくすことは難しくなります。 そのため、完治しなかったり、再発してしまう場合があります。 根管治療の成功率を上げるためには基本に則った治療と機材が大事だと考えます。   【当院で使用している機材】 治療が必要な場合 01 ラバーダム 感染してしまった歯を治すためには歯の内部の菌を取り除くだけではなく、菌を新たに内部に入れないことがとても重要になります。 そのために必要になるのがラバーダムです。 ラバーダムは専用のゴムのシートで治療する歯のみを露出させ、菌がたくさんある唾液の侵入を防ぎます。 また、治療で使用する器具や薬剤から口腔内を守る効果もあります。 02 CT 根の内部は複雑なため二次元のレントゲンでは細部まで見ることはできません。 CTにて三次元の画像を撮影することで、根の形態や問題の出ている原因がわかる場合があります。 歯の部位、根の形によっては保険適用で撮影することができます。 03 マイクロスコープ 根の中は光が入りづらく暗く、また細いので肉眼では正確に見ることは難しいと思います。 マイクロスコープを使うことで、患部を3−24倍まで拡大して治療することができます。 それにより、肉眼やルーペでは見えなかった細部まで確認することができるようになります。 04 ニッケルチタンファイル 根の形はまっすぐなものも極端に曲がっているものもあります。 治療で使用する、ファイルと呼ばれる細い器具は一般的にステンレスでできています。 そのため、柔軟性が少なく曲がっている根だと上手く入らなったり、折れてしまうことがあります。 そうならないよう、ケースに合わせて柔軟性の高いニッケルチタンでできたファイルを使用しています。 05 MTAセメント 封鎖性と殺菌性に優れたセメントで、根管治療の充填剤として使用することがあります。 アルカリ性の材料で内部で殺菌作用を維持することで、根の内部をきれいな状態に維持することができ、根管治療の成功率が上がります。 人体への親和性も高く、体への心配なく使用することができます。 MTAセメントは根管治療で使用する際は保険外治療となりますので、歯科医師に相談してみてください。 当院では、根管治療においてマイクロスコープ、ラバーダム、ニッケルチタンファイルなど専用の機材は治療の成功率に直結すると考えているため、保険内外問わず使用しています。   今回のケース 奥歯の治療のセカンドオピニオンで来院されました。 他院にて何回も通院し、根管治療しているが治らず終わらない、痛みが続いているとのことです。 同意を得てレントゲンを撮影します。 右から2番目の歯の根の先が黒くなっているのが分かると思います。 この部分に菌が溜まり、骨が弱くなっている状態です。 膿が溜まっていると表現する先生もいると思います。 またこの画像で先端が黒くなっている根の内部に入っている薬(レントゲンで白く見える部分)が周りの部分より太く入っているように見えます。 この場合、治療により内部がかなり削られており、根が薄くなっている可能性があります。 より詳細に見る必要があるためCTの撮影をお願いしました。   横から見た画像 右から2本目の根の周囲が黒いのがわかると思います。   上から見た画像 上から2つ目の歯の周囲が黒くなっています。 治療の必要性、根が薄くなっている部分は歯が中で割れたり、ヒビが入っている可能性を説明し治療に移行します。   マイクロスコープを使用します。 根の内部に以前の治療で使用した充填剤が残っているのが確認できます。 この部分が細菌の温床になっている可能性もあるため、除去しながら内部の消毒、洗浄をしていきます。 除去が終わった状態です。   治療は問題なく進みましたが、根が薄くなっており、部分的に穴が空いている可能性が考えられました。 それが原因で完治しない可能性も考えられたため、MTAセメントの使用をお勧めしました。 MTAセメントは封鎖性が高いため、小さな穴や亀裂がある場合そこを封鎖し、菌の侵入を抑えることで改善してくれる場合があります。 しかし、使用したことで必ず治ると保証できるものではありません。 説明後、同意を得たため使用します。   治療後のレントゲン写真です。     治療前後の比較   根の周囲の黒くなっていた部分の骨が再生し、白くなってきているのがわかると思います。 症状もなくなり、患者さんにはとても喜んでいただけました。 今回改善することはできましたが、根管治療を受けた歯は強度がとても落ちているため、今後割れてしまうリスクがあります。 そういったリスクを出来るだけ回避するため、定期的に噛み合わせなどを歯科医院の検診でチェックしていく必要があると考えます。   MTAセメントは万能ではなく、充填剤の1種でしかありません。 それ以前の根管治療を基本に則りしっかり行うことで成功する確率が上がります。 ケースに合わせて、治療方法を相談しながら診療にあたっております。 アズ歯科桶川院までお気軽にご相談ください。 治療期間 2ヶ月 治療費 ¥50,000  +  tax 治療のリスク 歯が割れてしまう可能性がある  

2024.09.30