その歯まだ残せるかも

桶川の歯医者|アズ歯科 桶川院
2021.04.21

その歯まだ残せるかも

その歯まだ残せるかも(エクストルージョン)

差し歯が取れたから、歯医者に行って付け直したというご経験はありますか?

「次また取れたら、もうこの歯は抜かなきゃいけないよ」

と言われたことはありますか?

今回は、前歯の被せ物が取れてしまうというお悩みに対しての治療方法をご紹介します。

 

この真ん中に見える歯は被せ物です。

差し歯になっているのですが、何度も取れてしまい、それを防ぐために隣の歯とボンドでくっつけてあるようです。

このままだと磨きづらいですし、見た目もよくありません。

また、取れないように歯ぐきの中にまで被せ物を押し込んでいるので、歯ぐきに炎症もみられます。

一度、被せ物を外して、中の状態を見てみましょう。

虫歯の進行と度重なる治療の結果、残っている歯がここまで少なくなってしまっていました。

表と裏から見たところの写真です。

この状態では、見えている部分の歯が短く、被せ物をしても接着力が弱くなってしまうため、食事で力が加わるとすぐに取れてしまうことがわかります。

何度も取れては付け直してを繰り返しているうちにもし歯が折れてしまったら、本当に抜かなくてはならなくなってしまいます。

そうならないようにするには、この歯を矯正力で引っ張り上げて、被せる部分を作る必要があります。

残っている歯を引っ張るための装置をつけたところです。

隣の歯にワイヤーをくっつけて、そこを固定源にしてゴムの力で根っこを引っ張り上げます。

歯並びや咬み合わせによって、このワイヤーを裏側の見えないところにつけられる場合もあります。

この装置をつけて大体1~2ヶ月で引っ張り上げることができますが、その後は数ヶ月、後戻りしないか様子を見る必要があります。

引っ張り上げて、装置を外したところです。

歯の見えている部分が長くなりましたね。

ここまできたら、被せ物をするための土台を作っていきます。

土台になる材料を盛り上げ、被せ物をつけるために形を修正したところです。

繰り返しになりますが、歯ぐきより上にしっかり自分の歯の部分も見えており、この部分が、またすぐ取れない被せ物を作る上で大切なポイントなのです。

この状態で型を取り、被せ物を作ります。

 

被せ物をつけたところです。

隣の歯に色や質感を近づけるため、セラミックという材質を選択しました。

歯ぐきの炎症も落ち着きましたね。

治療の前後を見比べてみましょう。

隣の歯との間にボンドが見え、被せ物の色も透明感が弱く、

いかにも差し歯がついているように見えていた治療前の状態ですが、

治療後は、見た目はより自然な感じの仕上がりになり、

歯の周りもスッキリして磨きやすくなったとのことでした。

 

差し歯が何度も取れて、その度に付け直していたけど、

「もう限界だ、歯が残り少なくて、もう被せることはできないよ」

と言われてしまったら。

治療の選択肢を確認してみてください。

まだ、残せるかもしれません。