歯ぎしりで骨の形が変わる?

桶川の歯医者|アズ歯科 桶川院
2024.05.22

歯ぎしりで骨の形が変わる?

歯や歯の周りの組織がどうなっているか知っていますか?

歯は周囲を骨に支えられて立っていることを意外と知らない方もいらしゃいます。

歯槽骨 | 歯科用語

歯の周りに磨き残しなどの汚れが残っていると、歯茎の隙間(歯周ポケット)から内部に菌の侵入が発生し、歯茎が腫れてしまいます。

それが続くことによって周囲の骨が溶けてしまう事があります。

歯を支えている骨が溶けることによって、歯がグラグラし最終的に抜けてしまうのが歯周病です。

 

それとは逆に骨が盛り上がってくるケースがあります。

下の写真を見てください。

歯の内側がボコボコ膨らんでいるのが分かると思います。

これは歯を支えている骨が盛り上がってきている状態です。

こうなる理由として

1、噛む力が強い

2、歯ぎしり、食いしばり

などが挙げられます。

慢性的に強い力が歯を通じて骨に伝わっていると骨が過剰に成長してきます。

こう聞くと、歯を支える骨が増えるから良いことじゃないかと考える方もいるかもしれません。

実際には歯周病に対して直接抵抗してくれる部分の骨とは離れている場合も多いため、必ずしも良いことにはなりません。

逆にそれだけ負荷がかかっている可能性があるため、歯が欠けてしまったり、銀歯などの被せ物が取れてしまったり、別の問題が発生する可能性もあります。

 

今回のケースでは患者さんがこの部分の骨が食べ物や歯ブラシが当たって痛いとのことで、切除を希望していました。

余分にできてしまった骨なので、切除することに大きく問題はありません。

口腔外科専門医にて慎重に処置を行います。

 

処置後の写真です。

処置前

内側の骨の盛り上がりがなくなり、すっきりとしました。

食事もしやすくなったと大変喜んでいただけました。

 

歯ぎしりなどの生活習慣が残っていれば、長い目で見ると、またこの骨が盛り上がってきてしまう可能性があります。

それを防ぐためには歯ぎしりを減らすために、顎周囲の筋肉の働きを落ち着かせるボトックスや、歯ぎしりしてしまっても歯や顎への負荷が減るようにマウスピースの使用が推奨されます。

マウスピースに関しては歯型の記録をとり作製するだけなので、1、2週間程度で作製可能です。

また、保険適用のため窓口負担は3000円程度です。

歯ぎしりや食いしばりは自覚がなくてもしている方が多くいます。

それによる負荷がある場合、口の中に何かしらのサインが出ている場合があります。

歯科医院で定期的に健診を受け、問題が出る前に対処してもらうことをお勧めします。

治療期間 1ヶ月
治療費 保険診療
治療のリスク 歯ぎしりなどによって再度骨が盛り上がってくる可能性がある