その痛み、歯が原因ではないかも?

桶川の歯医者|アズ歯科 桶川院
2024.10.16

その痛み、歯が原因ではないかも?

左上の奥歯が全体的に痛いというお悩みで来院された患者さんです。

 

歯ぐきが腫れているところはなさそうでした。

 

どこか欠けているとか、むし歯になって穴があいているところもありません。

 

パノラマエックス線写真による検査をしました。

こちらでも同様に歯周病やむし歯になっている所見はありません。

 

では、なぜ痛いのでしょうか。

レントゲンでも原因がわからない場合、以前治療されている歯の被せ物を外して中をチェックしてみたり、噛み合わせに問題がないか確認します。

ただ、それでも痛みが改善しないなんてこともあります。

 

「ほかの歯医者さんで一通り検査して問題ないって言われたんだけど、でも痛いんですよね」

というご相談で来院される患者さんもいらっしゃいます。

 

今回の患者さんは、奥歯の痛みのほかに、

「歩いていると頬のあたりがズンズン響く感じがする」

という症状がありました。

 

痛みの原因として、一つ心当たりがあったので、

歯科用コーンビームCT検査をしてみました。

 

こちらが検査結果です。

この画像に向かって右側、患者さんからすると左側の上の奥歯のまわりに注目してください。

鼻の横の空洞、上顎洞と呼ばれる副鼻腔の中がグレーになっていますが、

粘膜が腫れていて中に膿が溜まっているのがわかります。

上顎洞炎といいます。

歯の根の先の炎症が上顎洞に波及して上顎洞炎になることもありますが、

CT検査では歯の炎症はありませんでした。

鼻の粘膜が腫れている様子があるため、そちらから細菌感染、炎症を起こしている可能性が高いと判断しました。

その場合、歯の治療は必要なく、上顎洞炎に対して有効な抗生剤を服用していただき、治癒するか経過をみます。

 

今回は抗生剤を服用していただき、1週間後に来院された時にはすっかり症状も改善しており、奥歯の痛みもありませんでした。

もし症状の改善がみられなければ耳鼻科を受診していただくことになります。

 

今回のように、奥歯が痛いというお悩みでも、じつは原因が歯ではないということがあります。

その原因を突き止めるために、今回のような歯科用コーンビームCTや、マイクロスコープ等、さまざまな検査機器を用いて診断を行うことができます。

 

ご興味のある方はぜひ一度ご相談ください。

 

治療期間 1週間
治療費 保険治療
治療のリスク 痛みが改善しない可能性がある