歯ぐきの中にも歯石はある?
歯周病の治療をしている、もしくは定期検診を受けている方にはよく話すのですが、今日は歯石について少しお話したいと思います。
まず歯石とはなんぞ?という方のために簡単に説明します。
細菌の塊である歯垢が、不十分なケアにより歯に付着したまま放置されると、唾液に含まれているリン酸やカルシウムが沈着して石のようになります。この歯垢が硬く変化(石灰化)したものが歯石です。
(ちなみに、歯垢1mgには1億個以上の細菌が存在しています・・・)
こんな感じのイメージです。
「いやいや、そんなこと言われてるけど自分は毎日歯磨きしてるし、鏡で見ても付いてないから大丈夫だよ」という方、結構多いんです。
実は、見えない場所、歯ぐきの中にも潜んでいるのです。
この画像を見てください。
歯ぐきは少し下がってきてるけど、さっきみたいな歯石は付いてないですよね?
でもこの時、歯周病の検査をしたところ、歯ぐきの中にも歯石が付いていることが分かったのです。
なのでその歯石をとるための手術をしました。
※そういうのあんまり見たくないという方は、画像を見ないでとばしてください。
これです。
これは手術で歯ぐきを一部めくって、中を見ているところです。
黒いの見えますか?これが歯ぐきの中にある歯石です。
こうして見ると一目瞭然ですよね。
それを丁寧にとっていくと、
このように歯ぐきの中、根の表面もツルツルになります。
歯石がなくなれば、ひとまず歯周病の進行は止まります。
そして手術の後は数週間もすれば何もなかったかのようにキレイに治ります。
それがこちらです。
歯石がとれたことにより、腫れていた歯ぐきも引きしまって健康的になりました。
ちなみにこの患者さんは、手術後の痛みはまったく感じなかったとのことでした。
もしさっきの歯石があのままずっと残っていたとしたら、もっと歯周病が進行して、抜かなきゃいけなくなることだってあります。
そうなる前にまず検診を受けてください。
そして歯周病が早期にわかれば、このような手術を受ける必要もなく、衛生士さんのクリーニングで十分治ります。
このように歯ぐきの中に歯石がついていたとしても、ちゃんと治療を行ってメンテナンスを継続すれば大丈夫です。
歯周病を放置しないように。
自分は大丈夫、と見て見ぬふりをしないように。
見えていないところに、歯石が潜んでいるかもしれませんよ?