歯の周りの骨が溶ける?

桶川の歯医者|アズ歯科 桶川院
2023.01.11

歯の周りの骨が溶ける?

桶川にある歯医者、アズ歯科桶川院の歯科医師、鈴木篤士です。

 

1年ほど前に、神経の治療を受けた歯の違和感が続いていると他県から相談で来院された患者様です。

表面上は問題なく見えたため、レントゲンで確認させていただきました。

CTの画像です。

顔を横から見た図

顔を正面から見た図

 

緑の矢印の部分が周囲に比べて少し黒く見えると思います。

この部分は菌の影響で根の周囲にある骨が溶けている状態です。

まだ、あまり範囲は広がっていませんがこのままの状態で放置しておくと、菌がどんどん広がり、最悪の場合、抜歯になってしまう可能性があります。

これを治すには再度根の治療(根管治療)が必要です。

しかし、1度根管治療を受けた歯のやり直しは初めて神経を取る治療に比べ、難易度が上が理、成功率が下がります。

以前の治療の際にどういった内容の処置を受けていたのかにもよりますが、すでに歯の内部にたくさんの菌が存在している可能性、一度削っているため歯の強度が落ちている可能性、また、歯科医師によって手技が異なるため他院での治療方法がわからず手探りで始めることになる可能性があるからです。

 

イメージとしては下のような状況です

 

治療の流れ

①被せ物を外し、虫歯があれば除去する

②中にある土台などの材料を除去する

③根の内部に充填されている薬剤を除去する

こうすることによって根の先の菌が溜まり炎症が起こっている部分に直接アプローチできるようになります。

 

この際とても重要になってくるのがラバーダムと呼ばれる、ゴムの器具です。

下の写真のように、歯の周囲に専用の器具と一緒に用い、治療の歯のみを周囲から分け、根管治療の際に唾液が中に入らないようにするために使います。

ラバーダムの使用

唾液中には数百億個もの菌が存在すると言われており、それが歯の内部に入ってしまっては薬などの効果も半減し治る確率が減ってしまいます。

しかし、日本の歯科医院で保険診療において使用している所はほとんどないのが現状です。

また、治療の精度を上げるために必要になるのがマイクロスコープです。

マイクロスコープの使用

歯の内部は暗く細いため、肉眼やルーペで見ても正確に確認することはできません。

当院では、保険診療内外問わず、ラバーダム、マイクロスコープ、CT、ニッケルチタンファイルなど治療に必要なものは必ず使用するようにしています。

それでも治らないことがある程、根管治療は難易度の高い治療だと考えます。

 

今回の症例でも全ての器具を使用し治療を行いました。

治療後のCT画像です。

緑の矢印の部分が白くなっているのが分かると思います。

溶けていた骨が再生しています。

 

治療前後で比較します。

治療前                 治療後

   

 

元々あった違和感も消え、大変喜んでいただけました。

根管治療はとても難しい治療です。

治療後の再発などで悩んでいる患者様も多く、セカンドオピニオンなど他県から来院していただくケースも増えています。

必ず治るとは言えませんが、できる限りの機材を使用し精度の高い治療を心がけております。

アズ歯科桶川院までお気軽にご相談ください。

治療期間 3ヶ月
治療費 保険診療
治療のリスク 歯が割れてしまう可能性がある

 

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