歯周組織再生療法

桶川の歯医者|アズ歯科 桶川院
2022.11.10

歯周組織再生療法

桶川にある歯医者、アズ歯科桶川院の歯科医師、中村です。

 

本日は、患者さんから聞かれることの多い歯周組織再生療法についてお話したいと思います。

 

歯周病とは、

歯周組織、つまり、歯ぐきが炎症を起こしてしまうものです。

炎症を起こした結果、歯ぐきは腫れ、骨は溶けてしまいます。

 

なぜ炎症が起きてしまうかというと、

主な原因は、歯の根元に歯石が付いていることです。

 

歯石とは、

プラーク(歯垢、細菌のかたまり)が石灰化して硬くなったものです。

 

歯ブラシやフロスでは、歯石は取れません。

 

衛生士さんによる専門的な清掃により歯石を取り去ることで、

炎症を止める、つまり歯周病を治すことができるのです。

 

歯周病により歯ぐきが腫れていた場合、

治療によって、腫れは引きます。

これは何となく想像がつくと思います。

 

では、

歯周病により骨が溶けていた場合

治療によって溶けた骨は元の状態に戻る、

つまり、

再生するのでしょうか。

 

実際の治療を見てみましょう。

 

 

下アゴの歯、一番奥の歯です。

患者さんに聞いてみると、

この歯の後ろには親知らずが埋まっていたけど抜歯した、とのことでした。

 

レントゲンを見てみます。

親知らずがあったせいでしょうか。

歯の根元に歯石が付いていて、その周りの骨が吸収しています。

実は、このようなケースは多いのです。

この歯は歯周病が進行しているせいでグラグラしていました。

 

先ほど述べたように、

歯周病を治すためには歯石を取らなければなりません。

 

しかし、歯石は歯ぐきの中の深いところに付いており見えません。

そのため、手術によって歯ぐきの中を実際に見て、

付いている歯石を取り去る必要があります。

 

こちらが実際の手術時の写真です。

黒くなっているところは虫歯、

その下のモヤモヤしている部分が歯ぐきの中に付いている歯石です。

 

歯石を取り去った後の写真です。

根の表面が見えてキレイになっているのがわかります。

 

手術直後のレントゲン写真です。

歯石は取れていますが、もちろん骨は溶けたままで凹んでいます。

 

歯周病の原因となっていた歯石を取っても、

骨は元に戻る、つまり、再生されないのでしょうか。

 

半年後のレントゲン写真をお見せします。

 

いかがでしょうか。

骨が元の位置まで戻っているとは言えませんが、

凹んでいた部分はなくなっています。

つまり、は一部再生したのです。

 

もう一度、治療の前後で比較してみましょう。

 

治療

治療

 

骨が再生しているのがわかります。

ただし、健全な状態まで骨が回復したとは言えません。

歯の長さの半分くらいまでしか骨がないので、

歯周病により骨が吸収してしまった状態であることは変わっていません。

 

ですが、治療前と比べて、

局所的に骨が溶けている部分はなくなり、

骨のラインがなだらかに、そしてはっきり見えるようになっています。

 

これにより何が言えるのか。

それは、歯周病の進行が一旦ストップしたということです。

 

治療前の状態を放置しておくと、骨が溶ける現象はどんどん進み、

やがてグラグラがひどくなり抜けてしまうでしょう。

しかし、

今回の治療により骨の吸収は一旦止まり、そして一部分が再生しました。

実際に治療後、歯のグラグラはなくなり、症状は改善しています。

 

今後は、この歯周病の進行がストップしている状態を維持したいのです。

急に歯ぐきの中に歯石が付くことはありません。

毎日正しい歯みがきを続けることで、再び歯石が付くことは防げるでしょう。

 

歯周病は生活習慣病と言われています。

治療後も日々のケアを怠るとすぐに悪化してしまいます。

一度治療すれば終わりではなく、ずっと向き合っていく必要があるので大変です。

 

それでも、

今回お話したように、一部は再生させることも可能です。

 

今回の記事を読んで、

少しでも歯周病治療に興味を持っていただけたら幸いです。

 

治療期間 7ヶ月
治療費 保険診療
治療のリスク 治療後も歯周病が進行する可能性がある

 

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