症例集

桶川の歯医者|アズ歯科 桶川院

ラバーダムってなに?

歯の神経の治療をしたことはありますか?   虫歯が進行して細菌が神経に感染した場合、 神経をとる治療が必要になります。   痛くなることが多いので、痛みがあって歯医者に行ったら、 神経の治療をすることになった、なんてことはよくあると思います。   今回は、歯の神経の治療の時に使うラバーダムという器具のご紹介をしたいと思います。       下の奥歯です。 銀歯が入っていて、以前治療をしていたようですが、 この歯に痛みがありました。   レントゲン写真です。 白くなっている部分が金属です。 根元が黒くなっており、ここが病巣です。 細菌が侵入することで骨が炎症を起こし、溶けてしまっているのです。 これを治すために、原因となっている虫歯を除去し、 根管治療を施します。     まずは金属の被せ物を外します。 すると次は金属の土台が見えてくるので、     その土台も除去します。 すると内部で虫歯になっているところがありました。   それをきれいに取り去り、上から覗いたところです。 神経があった穴、根管が見えます。       ここで登場するのがラバーダムです。 先程の状態で根管の中をきれいにしても、唾液が中に入ってしまいます。 すると唾液中の細菌が侵入するため炎症が治りづらくなってしまうのです。   ラバーダムと呼ばれるゴムのシートを歯にかけることで、 唾液の侵入を防ぐとともに、治療で使う器具や薬液の誤飲を防止することにもつながります。       マイクロスコープを使用して根管を覗きながら、 内部をすみずみまできれいにします。     きれいになったら根管内を充填材で埋めます。 再び細菌が増えないようにきっちり詰めることがポイントです。 レントゲンを見てみて、どうでしょう。 治療前にあった根元の黒い影はすっかりなくなりました。   治療前     いかがでしたか? 神経の治療、根管治療の際に大事な役割を果たしている、ラバーダム。   「根管治療を続けているけどなかなか改善しない」 というお悩みの方、ラバーダムしていますか?   気になる方は一度ご相談ください。   治療期間 2ヶ月 治療費 保険診療 治療のリスク 痛みを生じる可能性がある    

2023.06.10

ホワイトニングでどれくらい白くなるの?

「ホワイトニングで歯を白くしよう」 という広告や商品をよく目にしますが、 一体どれくらい歯が白くなるのでしょうか。   皆さんはどんな”白”をイメージしますか?     芸能人の口元を見ると歯が真っ白できれいですよね。 その中には自分の歯を白くしているのではなく、 セラミックという人工物を歯に被せている場合もあるので、 見るからに真っ白な歯をイメージしている方は、もしかしたらセラミックを想像されているかもしれません。     一般的に歯科医院で謳われているホワイトニングとは、 過酸化水素や過酸化尿素を用いて歯の内部に沈着している色素を分解することで、歯を白くすることを指します。   その前にホワイトニングの薬剤を歯に浸透させるためには歯の表面についている汚れ、ステインなどを専門的なクリーニングによって除去する必要があります。 ステインを除去することでその人の歯本来の白さを取り戻すことと、その上でさらにホワイトニング薬剤を用いて歯を白くすることは意味合いが異なります。 詳しくは以前にご紹介した記事をご覧ください。   https://www.as-dc.com/case_info/ホワイトニングとクリーニングの違いは?/ ↑クリックできます   それでは、 薬剤を用いて行うホワイトニングでは実際にどれくらい白くなるのか、 実際の治療を見てみましょう。     ホワイトニング希望で来院された患者さんです。 歯が黄色っぽく見えますよね。 この時点でステインなどは取り除いており、この方の本来の歯の色がこの状態です。   ホワイトニングをする場合、まず治療介入する前の歯の色がどれくらいなのか、 シェードガイドと呼ばれる歯の色見本を使って確認します。   この歯の色はA3.5であることがわかりました。 これはVITAclassicalという日本の歯科医院で広く採用されている色見本であり、 日本人の平均的な歯の色はA3~A3.5であるとされています。 なので、黄色く見えたこの歯の色は実は日本人では珍しくないのです。 しかし近年ホワイトニングが普及したことで、より歯を白くされている方も増えていて、一般的なイメージとしてももう少し白いほうが好まれることが多いです。   今回はホームホワイトニングという施術方法を選びました。 クリニックで型を取り、患者さんの歯ならびに合わせたマウスピースを作製、 ご自宅でマウスピースにホワイトニング薬剤を入れてお口にはめていただき、 ホワイトニングを進めていきます。 2〜3週間で白さを実感していただくことが多いです。     ホワイトニング治療後の写真です。 B1という白さになりました。 これはどれくらい白くなったのでしょうか。 先程お話ししたシェードガイドという色見本を使って、確かめてみましょう。   左がB1、右がホワイトニングを始める前のA3.5です。 このB1という色、VITAclassicalというシェードガイドの中では最も白い色です。 とても白くなりましたね。     治療前 治療後 これだけ歯の色が白くなると、笑った時の印象がちがうと思います。 キレイで健康的な感じがしますよね。   このように、ホワイトニングの治療の際には必ず治療の前後で色の変化を確かめます。 患者さんそれぞれの歯の状態によってどこまで白くなるかは異なります。 同じ施術をして皆同じ色になるわけではありませんが、 シェードガイドを用いて視覚的に変化を感じていただけると思います。   今日は簡単ではありますが、 ホワイトニングにより変化する歯の白さの程度についてお話してきました。 一度施術してその後その白さがずっと続くわけではありません。 お茶やコーヒーに含まれるポリフェノール類と呼ばれる色素など、さまざまな着色成分が歯の表面に付着してきます。 白さをキープするためには日々のセルフケアがとても重要になります。   ホワイトニングについてご興味のある方はぜひアズ歯科桶川院へご相談ください。   治療期間 1ヶ月 治療費 ¥30,000 + tax 治療のリスク 色が後戻りする可能性がある  

2023.06.03

虫歯を削ったらセラミックで治そう

大きな虫歯を治療すると穴が大きくなります。   その穴をどんな材料で治したらいいか。   おすすめはセラミックです。     矢印の銀歯のところに痛みがある患者さんです。   レントゲンを撮ってみると銀歯の中にセメントがあることがわかります。 その内部に虫歯があるようです。     早速、銀歯を外してみましょう。   内部のセメントが見えてきました。 このセメントも取ってみましょう。     虫歯が見えてきました。 以前治療されたはずですが、銀歯の中で再び虫歯になってしまったのでしょうか。       別の角度から見てみます。   銀歯、外側の白い詰め物を取ってみると、   2つの穴は繋がっていました。   虫歯が青く染まる検知液を使って範囲を確認します。   虫歯をすべて削り取ると、歯の内部はほぼ虫歯であったことがわかりました。 外側の歯は薄くなっており、欠けてしまいそうです。       穴をコンポジットレジンという白いプラスチックの材質で埋めた後、 外側を同じくプラスチックの仮歯で覆います。   レントゲン写真です。 虫歯を取ったのち、白い材料で埋めてあるのがわかります。 この時点で痛みが治っていました。     仮歯の状態で普段の生活上問題がなかったので、 プラスチックからセラミックへ材質を変えようとしています。 被せ物の色を他の自分の歯に合わせるための検査をしているところです。       セラミックの被せ物をしたところです。 プラスチックの仮歯と異なり、色にグラデーションがあり、 自分の歯に近い見た目にすることができます。   噛み合わせの確認です。 セラミックは材質も硬く、耐久性があることが特徴です。 また、表面がツルツルで汚れが付きにくいというメリットもあります。 ということは、虫歯が再発するリスクが低いということです。     生体親和性が高く、歯ぐきとの調和にも優れています。 金属の場合、接している歯ぐきにメタルタトゥーと呼ばれる色素沈着を生じさせるおそれがあります。     その後、同様に他の歯も金属の詰め物をはずして虫歯を治療し、 セラミック治療をしました。   治療前 治療後       いかがでしたか? 本日は、虫歯治療後の歯を補う材料としてセラミックを選択した時のお話でした。 桶川市で歯科医院をお探しで、 治療についてご興味がある方はぜひ一度ご相談ください。     治療期間 2ヶ月 治療費 ¥80,000 + tax 治療のリスク 痛みを生じる可能性がある  

2023.05.27

なぜ抜歯しなければいけないのか?

「この歯はもうダメなので抜きましょう」     歯医者でこう言われたご経験はありますか?   抜歯しなければならない理由は様々ありますが、 しっかり納得した上で抜歯という治療の選択肢を選ぶべきだと思います。   今日は、破折(はせつ)したために抜歯しなければならなかった時のお話をします。       もともと治療していた歯の治療の続きをご希望されて来院された患者さんです。 奥歯に金属の土台が入っているようです。     レントゲンを撮ってみました。 歯周病が進んでいるようです。 矢印で指しているあたりに黒い影を認めます。   この写真では炎症を起こしている範囲がよくわからないので、CT検査をしてみます。     根の先に黒い影があり、根尖性(こんせんせい)歯周炎のように見えます。 その場合、根管治療を行う必要があります。   そう思って別の角度からレントゲンを見てみると、、、   根の先端だけではなく、根の周りに沿って炎症が起きていることがわかりました。   「根尖性歯周炎だけではなく、歯根破折があるかもしれない」 と考えました。   もしそうだとすると治療内容が変わるので、大事なところです。   そして、 炎症が起きているのは2つ根っこがある奥歯の手前側の根っこだけ、ということまでわかりました。       この部分です。 レントゲンでわかるは、手前の根っこの周りの骨に炎症が起きているということまでです。   根が破折した時におこる炎症の典型的なレントゲン像でしたが、 実際に金属の土台を外してみて、確かめる必要があります。     ラバーダムをして、通常の根管治療と同じように金属を除去し、 根管をマイクロスコープで覗いているときの写真です。   矢印で指している部分に亀裂を見つけました。   どうやら本当に歯根が破折していたようです。     そもそもなぜ歯根が破折するのかというと、 一度神経を取って差し歯にしている歯は構造上脆くなってしまうのです。   残っている歯根に負担が集中すると亀裂が入ってしまい、 放っておくと、 そこから周りの骨に炎症が拡がってしまい、隣の歯に影響が出てくる可能性もあります。       この亀裂は塞ぐことができないため、 治療としては、   抜歯をして、歯槽骨(歯の周りの骨)で起きている炎症を食い止めることになります。   今回は亀裂が入った方の歯根のみを抜く、ヘミセクションという治療法を選択しました。   もともと2つ根っこがある奥歯を2つに分割して、   破折している方だけ抜きます。       抜いた歯根です。 矢印のところに破折線を認めます。     反対側から見ても割れているのがわかります。     この亀裂がある限り、いくら根管治療をしても炎症は治りません。 こうやって抜歯すれば破折していることは一目瞭然ですよね。   今回はCTとマイクロスコープを使って早期にこの亀裂に気づくことができました。   しかし、 このことに気づけなければ、 根管治療を繰り返し、 「なかなか治らないね」なんてことになっていたかもしれません。   そうしているうちに炎症は拡がり、より多くの骨を失っていたかもしれません。   今回のような治療を通して実感するのは、 何が起きているかの正確な診断がいかに大切であるかということです。       抜いた後は歯ぐきの治癒を待って、歯の形を調整して型を取り、   ブリッジ(被せ物をつなげた物)を被せることで、元の歯の形を再現します。 ここまで治療することでまた噛めるようになります。       いかがでしたか?   残念ながら歯根を抜かなければならなかった治療についてお話ししてきました。   歯を残しておくと周りの骨がどんどん溶けてしまい、 隣の歯も歯周病が進んでしまうような場合は、 それを防ぐための治療として抜歯が必要になるのです。     なぜ抜歯をしなければならないのか?     できるだけ歯を残すために様々な治療法はありますが、 抜かなければならない時にはそれ相応の理由があります。   その説明をしっかり受けて、納得した上で治療を受けることが大事です。   桶川市の歯科医院をお探しの方は、アズ歯科桶川院へお越しください。     治療期間 2ヶ月 治療費 保険診療 治療のリスク 抜歯する必要がある  

2023.05.19

歯ぐきが腫れたら神経の治療が必要?

「歯ぐきが赤くプクッと腫れてるなぁ」なんてことはありませんか?   それはもしかしたら歯の神経がわるくなってしまったのかもしれません。     こちらの患者さんも歯ぐきが腫れていることに気づき来院されました。 痛みはありませんでした。   レントゲン検査をします。 白く見えるのは金属の詰め物です。 この写真ではわるくなっているように見えません。   そこで、CT検査をしてみます。 歯の根の先が黒く見えますよね。   黒くなっている部分は炎症により骨が溶けているのです。 炎症が起きている原因は、歯の神経に細菌感染が生じているからです。   別の角度から見ています。 根の周りの骨が溶け、膿が拡がり、歯ぐきの表面に見えているわけです。   そこで、細菌感染の経路を考えます。 今回はこの銀歯の中であると考えられます。   銀歯を削って外します。 奥に白いセメントが見えてきました。 当時の虫歯の治療の跡です。   それも削って取ってみます。 すると、その周りが虫歯になっていることがわかります。   虫歯が青く染まる検知液を使って確認します。 歯の中心のあたりに穴が見え、その周りが青く染まっています。 実はこの穴の奥が神経で、そこまで虫歯が進行していたのです。   染まっている部分は全て削り取ります。 神経が生きている場合、ここで穴から出血してきますが、 今回は虫歯菌が感染して時間が経過しているため、 神経が壊死しており、出血はみられません。   虫歯を取りきったら、白い詰め物で形を修復します。 これから神経の中を治療する際に、周りから再感染しないようにするためです。   いわゆる神経の治療とは、感染した神経組織をきれいに除去することです。 唾液中にはたくさんの口腔内細菌がいるため、治療中に歯の中に唾液が入らないようにします。 そのために、ラバーダムと呼ばれるゴムのシートを歯にかけた状態で治療を進めます。   歯の神経があった部分に通じる穴を開けます。 黒くなっており、奥のほうにはまだ感染組織が詰まっているようです。   それを取り去り、専用の薬液で洗浄します。 感染した歯の内部をきれいにすることがこの治療の大事なポイントです。   感染経路がきれいになれば、その先の骨で起きている炎症が治ります。 洗浄後は再び穴の中で細菌が増えないように、専用の詰め物をして封鎖します。       封鎖後のレントゲン写真です。 白く見えているのが詰め物です。 この後、歯の形を元通りにするため被せ物をします。   白い被せ物をしました。 パッと見てどの歯を治療したのかわからないですよね。   歯ぐきの腫れも治りました。 治療の前後を見比べてみましょう。   治療前 治療後   レントゲンでも見比べてみましょう。   治療前 治療後   治療前 治療後   治療前 治療後   いかがでしょうか。 一度は炎症で溶けてしまった骨も、治療をしたことで治りました。   今回は、 「一見歯ぐきの病気に見えたものが、実は歯の神経の治療が必要だった」というお話でした。 皆さんも気になることがあれば、まずは一度歯科を受診して診断してもらいましょう。 早期に発見できれば、治療をすることでしっかり治すことができるかもしれません。 桶川市で歯科医院をお探しの方は、アズ歯科桶川院へお越しください。   治療期間 2ヶ月 治療費 保険診療 治療のリスク 再発する可能性がある  

2023.05.12

乳歯が早めに抜けてしまったら?

むし歯やケガなどで早期に乳歯を抜かなければならないことがあります。   さて、 なんとか頑張って抜歯ができました。   「その後の治療って、必要なのでしょうか?」   大人の歯、永久歯は、抜歯した後に再び噛めるようにする治療が必要ですよね。 入れ歯やブリッジ、インプラントなどです。   それでは、 乳歯は抜いた後、どうすると思いますか?     たいてい、乳歯は永久歯への生えかわりのタイミングで自然に抜けます。   お家でうまく抜けない子は歯医者で抜くこともありますが、   そもそもそれは、歯ならびの成長にとって適切な生えかわりの時期があるからです。   乳歯が抜けるのは遅すぎても早すぎてもダメなのです。     遅すぎる場合とは、永久歯が生えてきているのにも関わらず、 そこの乳歯がグラグラせずに残ってしまっている時などです。   定期的に歯科検診で受診していれば、 「この乳歯は自然に抜けるのが遅いので、今度抜歯をしましょう」 と歯科医師から言われるかもしれません。 その時は頑張って抜歯をしましょう。     それでは、乳歯が抜けるのが早すぎる場合とはどんな時でしょうか?     それは、むし歯やケガなどで抜けてしまった、もしくは抜かなければならなくなった時です。 その時は、歯科医院で乳歯を抜歯します。   しかし、いずれ永久歯が生えてくるので、 大人のようにインプラントをしたりということは必要ありません。   その代わり、永久歯が生えてくるスペースを確保しておかなければならないのです。 このことを、保隙(ほげき)といいます。   どういうことかというと、   早くに抜けてしまった乳歯の隣の歯が、その抜けたスペースによってきてしまうのです。   つまりそれを防いでおかないと、   あとから生えてこようとしている永久歯が生えるスペースがなくなり、適切な位置に生えてこれなくなってしまう ↓ 永久歯の歯ならびがわるくなる ということです。     では、実際にどのようにそのスペースを確保しておくのか、 治療の例を見てみましょう。       7歳のお子さんです。 乳歯が早期にグラグラしてしまい、痛みがあるため抜歯が必要でした。 原因は、当時のむし歯の治療で歯が脆くなってしまい、外力がかかった際に歯が内部で折れてしまっていたのです。     抜歯は済みましたが、永久歯が生えてくるまであと1年以上はかかりそうでした。 その間に隣の乳歯がこのスペースによってきてしまうと、本来生えてくるはずの永久歯が適切な位置に生えてこれなくなってしまいます。   そのことを防ぐために必要な治療が、保隙です。       今回は、バンドループという装置を用いて保隙しました。 型を取り、確保しておきたいスペースにぴったりのワイヤーを作製し、隣の乳歯に接着します。     そうして1年が経過した頃、保隙していた部分に変化が現れます。 歯ぐきが少し膨らんできているのです。   レントゲンを撮ってみると、永久歯がもうすぐ生えてきそうなのがわかります。 白く見えているのはバンドループです。 このままだとワイヤーが永久歯が生えてくる際に邪魔になってしまうため、バンドループを除去します。       バンドループをとって1ヶ月程たった頃、永久歯が生えてきました。 ここまできたら、あとは通常の永久歯の生えかわりと同様です。 しっかり生えてくるか様子を見守ります。   いかがでしたか?   今日は、早期に乳歯を失った場合の治療についてお話ししてきました。   この患者さんは矯正(きょうせい)治療、いわゆる理想的な歯ならびのために積極的に動かす治療はせず、 あくまで自然な生えかわりに影響が出ないように、という目的で治療を進めています。 今後、他の歯の生えかわりなどで今回治療した部分の歯ならびがきれいにならない可能性はあります。   もし、生えかわりを含めて永久歯をきれいな歯ならびに導くことを目的とするならば、 この時点で他の装置を用いて矯正治療を進めることも可能です。   受診される患者さんが希望される治療は、さまざまです。 それぞれに合った治療法をご提案したいので、 気になること、聞いてみたいことがある方はぜひ一度アズ歯科桶川院までご相談ください。   治療期間 1年半 治療費 保険診療 治療のリスク 今後、歯ならびが変化する可能性がある  

2023.05.05

歯ぐきから血が出たら歯肉炎?

「歯みがきしていたら出血した」なんてことはありませんか?   お口をゆすいで血が滲んでいたら心配になりますよね。   その原因は、おそらく歯肉炎です。   このように、歯垢(プラーク)が歯ぐきの周りに溜まってくると、 炎症を起こしてしまい、少しの刺激で出血しやすくなるのです。   さらに進行すると歯周病になり、歯を支える骨が溶けてしまいます。 そうなる前に、歯垢を除去して歯肉炎を治す必要があります。   実際の治療を見てみましょう。   20代の女性です。 「歯みがきをしていたら出血した」というお悩みで来院されました。   歯ぐきを見てみると腫れており、歯肉炎であることがわかります。   エアーを吹きかけると、歯ぐきがめくれて中が見えました。 歯肉炎になった歯ぐきは腫れてブヨブヨしているのです。 そこには歯垢が溜まっています。 歯肉炎になった原因は、この歯垢中に含まれる歯周病菌です。   治療では、この歯垢をきれいに除去することを徹底していきます。 スケーラーと呼ばれるこのような専用の器具を用いて、取り除きます。 この処置を歯科医院ではクリーニングと呼んでいます。     クリーニング直後の歯ぐきの状態です。 歯垢はなくなりましたが、歯肉炎になっていた歯ぐきは腫れて赤くなっています。   処置後も家で毎日のセルフケアを徹底しなければなりません。 食後8時間程度で歯垢はまた付いてきます。 しかし初期の歯垢は歯にくっついている力が弱く、ご自身で歯みがきすることで簡単に取れるはずです。   クリーニングをしてから1週間たった時点の写真です。 歯ぐきの腫れは改善してきましたが、赤みはまだ少し残っています。 出血は以前よりおさまったようです。   この後、再び歯周病の検査を行い、 歯周ポケットの奥に付いている歯石があれば、 さらなる歯周病治療を施術する必要があります。   歯周病は、Silent Disease(静かなる病気)とも表現され、ひどくなるまで病気と自覚されることの少ない病気です。 痛みが出てくる頃にはかなり進行しており、治療しても完全に治らないケースが多いのです。   そうなる前の歯周病のサインとして、 歯みがきした時に出血するかどうかが重要なのです。   気になる方は一度歯科医院を受診して、しっかり検査しましょう。   桶川市で歯科医院をお探しの方は、アズ歯科桶川院までお越しください。   治療期間 1ヶ月 治療費 保険診療 治療のリスク 再発する可能性がある  

2023.04.27

骨が足りないと言われ諦めてませんか?その2

インプラントを検討する際、骨が少ない場合は 既存の骨に入るサイズのインプラントを選択する または 骨を増やして理想的なサイズのインプラントを選択する に分かれます。 しかし、骨の量が極端に少ない場合はインプラント自体が難しいことがあります。   今回のケースです。 左上の奥歯が抜歯になり、その後の治療でインプラントを希望された方です。 処置前のレントゲンです。 上の奥歯に歯がないのが分かると思います。 通常のレントゲンだけだと正確な診断ができないためCTを撮影します。 横から見たCT画像です。 正面から見たCT画像です。   上顎の上方には副鼻腔(上顎洞)と呼ばれる、鼻とつながる空洞が存在します。 下の赤線で囲まれた部分です。   この部分にインプラントが飛び出してしまうと鼻に炎症を起こす可能性があるため、その下の骨の内部で留める必要があります。 今回の画像をみるとわかりますが、骨が極端に少ない状態です。   どのサイズのインプラントが適切か判断するため CT画像を使用し、インプラントのシュミレーションを行います。 後ろのインプラントが副鼻腔に飛び出してしまうのがわかると思います。   正面から見た画像です。 インプラントの半分以上に骨が足りない状態です。 現状の骨の状態でインプラントを行うこと自体が難しいと判断できます。 この場合は骨を造成し、インプラントを埋入するための土台を作る必要があります。 今回サイナスリフトと呼ばれる術式をインプラントの手術と併用して行う計画を立てました。   『サイナスリフトとは?』 下の図のように上顎の骨が少なく、副鼻腔との距離が近く骨を盛り上げる場合に選択する治療方法です。   歯茎を切開し、副鼻腔につながる骨を一部削除します。   副鼻腔内の粘膜を破らないように慎重に上方に持ち上げていきます。 それによってできた副鼻腔内の空洞に人工骨を填入します。   骨を盛り上げた部分にインプラントを埋入します。   この人工の骨が既存の骨と一体化するまで待機します。   実際の処置後です。 下の歯と本数を揃えるため、計画を再立案し3本のインプラントを埋入しました。     インプラントの上にドーム状に広がっているのがサイナスリフトを行い填入された人工骨です。 予定通りの場所に、予定通りの方法でインプラント手術を終えることができました。 ここから、人工の骨が安定し既存の骨と一体化するまで8ヶ月ほど待ち、被せ物の作製をしていきます。 サイナスリフトを行うことで通常のインプラント治療に比べ待つ期間は長くなりますが、骨の厚みが増え長期的にインプラントが安定できる状態になります。 残っている骨の量や厚み、幅によって治療の術式、選択するインプラントの種類は様々です。 CT撮影を行い立体的に骨の状態を評価し、治療方法を相談しています。 また、アズ歯科桶川院には複数の口腔外科専門医、外科治療経験豊富な歯科医師が診療にあたっています。 難易度の高いインプラント治療にも対応しています。 お気軽にご相談ください。 治療期間 8ヶ月 治療費 ¥800,000 + tax 治療のリスク インプラントが歯周病になる可能性がある  

2023.04.22

セラミックで白い歯を作りませんか?

「うわ、前歯が黒くなってる、、」 虫歯になると痛みでつらいこともありますが、 見た目が気になることもありますよね。   そんな時はしっかり虫歯を治療して、 新しい白い歯を手に入れましょう。   前歯が虫歯になってずっと放置していたという患者さんです。 痛みもそこまでではなく、 だからこそ、治療になかなか踏み出せなかったとのことです。   虫歯が歯ぐきの中のほうにまで進行しており、 歯ぐきのケアも必要になります。   虫歯に罹患した部分を削りとり、 欠損したところをコンポジットレジンという材料で埋めたところです。 これから全体の歯の形を再現するためにセラミックの被せ物をする予定です。   その際に歯ぐき周りのケアも大切です 歯ぐきが健康的な状態でないと、ピッタリの被せ物ができません。     虫歯の治療後に詰めるもの、被せるものがピッタリでないと、 また虫歯が再発しやすくなったり、 歯周病が進行する原因になったりします。     セラミックの被せ物をしました。 材質は表面が滑沢でプラークが付着しづらく、 生体親和性に優れており、金属アレルギーの心配がないほか、 耐久性の面でも良い状態を長く保ちやすいのです。     治療の前後を比較してみます。   治療前 治療後   いかがでしたか? 前歯が黒くなっても虫歯の治療をすることで、 ここまでキレイに元に戻るのです。 あまり放置すると歯を抜かなければならないこともあります。 そうなる前に、 勇気を出して歯科医院へ一歩踏み出してください。 アズ歯科桶川院でお待ちしております。   治療期間 2ヶ月 治療費 ¥400,000 + tax 治療のリスク セラミックが割れる可能性がある    

2023.04.19

骨の中に飛び出た異物は手術でとれる?

神経の治療、根管治療をする時に、根管内を封鎖するために詰める材料があります。 ガッタパーチャポイントと呼ばれるゴムのようなものですが、 根の先端が壊れているとその先へ材料が飛び出してしまうことがあります。   飛び出してしまった材料は骨の中に残り、炎症の原因となるので除去しなければなりません。 本日はそんなお話をします。   奥歯に痛みがあり、受診されました。   もともと根管治療をされていたようですが、痛みがおさまらず当院を受診されました。 矢印のところに白い影が見えます。   CTで確認すると、 根の周りに歯周病で骨が溶けている像(黒い部分)があり、 そばに白い影が見えます。   別の角度から見てみます。 根の中にある白い影と、根の先にある白い影が同じものであるように見えます。 おそらく当時の治療で根の中を詰める材料が骨の中に飛び出してしまったものと考えられます。   別の角度から見てみます。 この部分に痛みがあるのは骨の中の炎症が原因であり、 異物が病巣内にあるならば、 炎症を治すためにはこの異物も取り出す必要があります。   この骨の中の炎症は、もとは根管に感染した細菌により引き起こされたものです。 まずは根管治療をして、根管内をきれいにします。   歯の被せ物を除去します。   除去後、歯の表面をきれいにしたら、   ラバーダム(ゴムのシート)をかけるために白い材料で歯の形を一部復元します。   ラバーダムをかけたら、根管内を洗浄します。   根管内をきれいにしたら、そのスペースを埋めるために詰め物をします。 ピッタリ詰めないとまた細菌が増えて炎症を起こす原因となるため大事なポイントです。   根管内に詰め物をした後のレントゲン写真です。 根の先に飛び出している異物はまだ残ったままです。   これを取り除くためには手術が必要なので進めましょう。     歯ぐきを切開してみると、骨の中に飛び出してしまったと思われる異物がありました。   まずはそれを確実に除去します。   取り出した異物です。 全長3mmくらいでした。   その後、病巣内の根の周りをきれいにします。 ここでは歯根端切除術をしています。   手術直後のレントゲン写真です。 白く見えていた異物がなくなりました。 根の先端の黒く見えている部分は病巣を取り除いた後の骨の空洞です。 炎症の原因となっていた細菌がいなくなれば、やがてここに骨ができてきます。   術後、1ヶ月たった時点の歯ぐきの状態です。 感染もなく落ち着いています。 この時点で、もともとあった歯の痛みはなくなっています。   術後、半年たった時点でのレントゲン写真です。 根の周りの黒い影がなくなり、骨ができていることがわかります。   ここで、治療の前後でのCTの比較をしてみましょう。   治療前   治療後   いずれの写真でも、再び骨ができてきているのがわかります。 根管内をきれいにして骨の中の異物をとったことで炎症が治ったようです。   炎症が落ち着いてきたら仮歯をかぶせて、実際にお食事で噛んでみます。 噛むことで治療した歯に負担がかかりますが、そのことで痛みが出たり問題が起きないか確認します。   いかがでしたか? 今回は、根管治療で異物が根の外側に飛び出してしまった場合の治療についてお話してきました。 神経の治療、根管治療を続けているけど痛みがおさまらない方はご相談ください。 痛みが続いている原因が他にあるかもしれません。   桶川市で歯科医院をお探しの方は、アズ歯科桶川院までお越しください。   治療期間 6ヶ月 治療費 保険診療 治療のリスク 根が短くなる、炎症が再燃する可能性がある  

2023.04.12