症例集

桶川の歯医者|アズ歯科 桶川院

入れ歯を作りましょう

歯をたくさん失い、今から歯科治療を始めるのは無理かなと諦めている方、 歯がほとんどないけど入れ歯を使っていない高齢のご家族がいる方、   この記事を読んだら、ぜひ一度歯科医院を受診してください。   入れ歯を作るのはそんなに大変な道のりではありません。 ご要望を伝えていただければ、患者さんに合わせた治療をご提案いたします。     80代半ばの患者さんです。 多くの歯を失っており、上下の歯で噛むことができない状態です。 しかし、これまで入れ歯を使っていなかったとのことでした。   「こんなに悪くなってからじゃ、治療ができないと思って」   そうお考えであったようですが、今回さすがにご飯が食べづらくなったとのことで、 当院を受診されました。   上の歯は残り3本、   下の歯は1本しか残っていません。 この状態でお食事をとっていても十分に咀嚼できず、 食べづらいだけでなく、食べ物の消化吸収がうまくいかずに、 胃腸障害や栄養摂取にも影響を及ばしかねません。     レントゲン写真です。 幸い、残っている歯の歯周病は進行していましたが、 グラグラして今にも抜けそうな歯はありませんでした。   今回の治療では、 残りの歯をすべて活かしながら、部分入れ歯を使って咀嚼力の回復を目指します。     まずは残っている歯の虫歯の治療です。   虫歯を放置すると痛みが出るだけでなく、 穴が大きくなれば入れ歯をかけづらくなったり、歯が折れるおそれも出てくるため、 入れ歯を作る前にしっかり治療します。   他の歯も同様に、   虫歯の治療を進めます。   入れ歯作りの準備が進んだら、いよいよ型取りです。 その後は噛み合わせを確認したり、見え方のチェックをしたりしながら、 入れ歯を完成させます。         そうして出来上がった入れ歯がこちらです。 残っていた歯に金具をかけて装着するタイプの入れ歯です。 残っている歯の位置はバラバラですが、 入れ歯が奥歯の部分でしっかり噛み合っています。     治療前 治療後     治療前 治療後     こう見ると噛める範囲が広くなったことがわかりやすいですね。   今回は患者さんが高齢であり、何度も通院するのが大変だったこと、 できるだけ早く入れ歯を作り、お食事できるようにしたかったこと、 この2点を優先的に考え、治療を進めることにしました。   治療前 治療後   いかがでしょうか。   ちなみに通院が必要だったのは、 虫歯を治療して型をとる日、 噛み合わせの記録をとる日、 イメージ通りの歯ならびになるか確認をする日、 入れ歯が完成してお渡しする日、 以上の計4回、期間にして1ヶ月ほどです。   そうすることで、咀嚼力を回復するための入れ歯が出来上がるのです。 痛いと感じるような治療内容ではないですし、 1回あたりの治療時間もそんなに長くかかりません。   実際に入れ歯を作るか悩んでいる方、 治療が大変そうで歯医者に行くのをためらっている方、 またはご家族だったり、そのようなお悩みをお持ちの方が身近にいらっしゃる方、 これらの方はぜひ一度アズ歯科桶川院までご相談ください。   ご要望に合わせた治療内容をご提案いたします。 入れ歯を作って、しっかりとお食事をとれるようにしましょう。   治療期間 1ヶ月 治療費 保険診療 治療のリスク 治療後に調整が必要になる可能性がある    

2023.07.08

横向きの親知らずは抜いたほうがいい?

「親知らずが横向きで生えてるから抜いたほうがいいって言われたけど、痛そうだし嫌だなぁ」 という方、多いのではないでしょうか。   それでは、なぜ抜いたほうがいいと言われるのか。   今日はそんなお話をします。   親知らずのあたりが痛いということで来院された患者さんです。 周りの歯ぐきはそこまで腫れていません。     レントゲンを撮ってみます。 横向きの親知らずが見えますが、その手前の歯の付け根のところに黒く写っている部分があります。 虫歯です。 親知らずとの間が磨けずに虫歯になってしまい、痛みが出ているようでした。 実は、痛みの原因が親知らずではないことも少なくないのです。       CT画像です。 この部分の虫歯を治療するには、親知らずを抜いてからでないとできません。 親知らず自体が虫歯になったわけではありませんが、抜歯する必要があるのです。   親知らずの抜歯について、詳しくは以前の症例記事をご覧ください↓ 親知らずの抜歯を症例を見る     ということで、親知らずを抜歯しました。 その上で痛みの原因となっている虫歯を確認してみます。 本来は歯ぐきの中に隠れているほど深い位置に虫歯ができて穴があいています。 この部分が親知らずとくっついていたのです。     CT画像を別の角度から見ると、この部分ですね。 歯の中心部分、歯髄とよばれる歯の神経の近くにまで穴が広がっています。 痛みの状態からして、この歯髄に虫歯菌が感染して歯髄炎になっているようです。     まずは外側から虫歯を削り取り、穴を埋めます。     その上で炎症を起こしている歯髄をとる治療、根管治療を進めます。 歯の内部から見ても、虫歯菌が感染した経路がわかります。 この部分ですね。     感染した歯髄組織を取り、内部をきれいにしたら、     殺菌効果のあるお薬を詰めます。   治療後は当日中に痛みがおさまったようです。 この後は、神経をとった穴を埋め、被せ物をして治療はおしまいです。   痛みは治りましたが、歯の神経をとる治療となってしまいました。 神経をとった歯は脆くなってしまい、歯の寿命は短くなってしまうことが多いです。 原因は親知らずです。 親知らずがなければこの部分に虫歯ができることはありませんでした。   つまり、痛みが出てから親知らずを抜くのでは遅いのです。 今回のような虫歯ができる前に、横向きの親知らずを抜歯することをお勧めします。   親しらず抜歯について、 桶川市で歯科医院をお探しの方は、アズ歯科桶川院までお越しください。     治療期間 1ヶ月 治療費 保険診療 治療のリスク 抜歯後に神経症状を引き起こす可能性がある  

2023.07.01

歯医者でクリーニングするとどう違うの?

自宅で歯みがきするのと、 歯医者でクリーニングするのと、 何が違うと思いますか?       使ってる器具が専門的なもの? 特別な歯みがき粉を使ってる?     いろいろ違いはありますが、 大事なポイントとして2点あげると、     ① どこに汚れがついているのか確認すること ② それをしっかり取りきること   ここが違います。     お子さんの仕上げ磨きをされたことがある方はわかると思うのですが、 本人が磨いているつもりのところも、 横にしてライト当てて見たら全然磨けてないじゃん、 ということがよくあります。     大人にも同じことが言えます。 自分で磨いているつもりが習慣によってあまり磨けていないところがあるのです。     歯科医院ではその部分をより専門的に検査して確認することで、 まず磨かなければいけないところを抽出します。       50代の男性の患者さんです、クリーニング希望で来院されました。 歯みがき時の出血が心配とのことです。 上の奥歯に歯石がついているのがわかります。 ご自宅でもここまで見えたら磨けると思うのですが、難しいですよね。     まずはこの部分を患者さんに実際に見て確認してもらうことが大事です。 見ることで、普段の歯みがきの時に注意することができるようになります。 そのためにこのような写真をモニターに映して見てもらっています。     また、歯石の付着位置、歯周病の進行を確認するために、 レントゲン写真を撮って検査します。 矢印の部分に歯石が付いていることがわかります。     歯石が歯ぐきの周りに付いていると歯周病が進行して、 やがてグラグラして歯が抜けてしまいます。     そうならないためにも、 クリーニング(歯石を除去)することで、 歯周病の進行を阻止しなければなりません。 歯科医院の定期検診で行っていることは、この繰り返しなのです。       歯石の付着がわかったら、 それを取り残しのないようにしっかりクリーニングしていきます。     見えづらい部分なんかはマイクロスコープを使って細かく確認する必要があります。 歯石がしっかり取れていることを確認することもとても大切なポイントです。 超音波を使用した専用の器具や、先の細い器具を用いて歯と歯の間までキレイにします。       クリーニング後の検診時の写真です。 歯石が取れて、ご自宅でのセルフケアが上手にできると、 歯ぐきからの出血も改善してきます。     クリーニング後のレントゲン写真です。 歯石の付着がなく、歯槽骨(歯を支えている周りの骨)の吸収がおさまっていることを確認します。       いかがでしたか?   ご自宅で毎日しっかり歯みがきしているから大丈夫、 と思っていても、 隠れた歯石が付いているかもしれません。 そのまま気づかないでいると、歯周病が進行してしまいます。   定期的に歯科医院を受診し、専門的な検査、施術を受けることで、 歯周病を確実に予防していきましょう。 桶川市で歯科医院をお探しの方は、ぜひ一度アズ歯科桶川院へお越しください。 治療期間 1ヶ月 治療費 保険診療 治療のリスク 定期的にチェックする必要がある    

2023.06.24

すきっ歯はどうやって治す?

「歯と歯のあいだに隙間があって気になるんですけど」   というお悩みの方にオススメの治療です。       前歯に一部隙間があって気になっている患者さんです。   たしかに、隙間が目立ちますよね。 歯ならびを考えると、 矯正治療をオススメしたいというのが本音です。   歯を削らずに歯を動かして、ピッタリに歯をならべることができそうです。   ただし、矯正治療は期間が長くなること、 治療費も高額になりがちです。   そこまでは治療できないから、このままでいようかなーという患者さんもいらっしゃいます。   そんな時に、 歯を削らずに隙間がなくなったように見える治療、 それが、ダイレクトボンディングです。     こちらが治療後の写真です。 いかがでしょうか。   歯の表面に接着処置を施し、 虫歯の穴を埋める材料(コンポジットレジン)を表面から接着して、 歯の形をつくるのです。   こちらはレジンと呼ばれるプラスチック系の素材を含んでいるため、 長期間経過した時に変色してくるというデメリットはありますが、 歯を削らずに表面に材料を足して見た目を改善させることができるのです。   治療前 治療後   ただし、噛み合わせた時に強く当たるような場合にすぐ欠けてしまったり、 材料を盛り足すことで歯みがきしづらくなりそうな場合は、 避けたほうがいいと思います。   それでも今すきっ歯でお悩み中という方、 ぜひ一度アズ歯科桶川院までご相談ください。 一緒に最善の方法を考えていきましょう。 治療期間 1日 治療費 ¥20,000 + tax 治療のリスク 変色したり欠けたりする可能性がある  

2023.06.17

ラバーダムってなに?

歯の神経の治療をしたことはありますか?   虫歯が進行して細菌が神経に感染した場合、 神経をとる治療が必要になります。   痛くなることが多いので、痛みがあって歯医者に行ったら、 神経の治療をすることになった、なんてことはよくあると思います。   今回は、歯の神経の治療の時に使うラバーダムという器具のご紹介をしたいと思います。       下の奥歯です。 銀歯が入っていて、以前治療をしていたようですが、 この歯に痛みがありました。   レントゲン写真です。 白くなっている部分が金属です。 根元が黒くなっており、ここが病巣です。 細菌が侵入することで骨が炎症を起こし、溶けてしまっているのです。 これを治すために、原因となっている虫歯を除去し、 根管治療を施します。     まずは金属の被せ物を外します。 すると次は金属の土台が見えてくるので、     その土台も除去します。 すると内部で虫歯になっているところがありました。   それをきれいに取り去り、上から覗いたところです。 神経があった穴、根管が見えます。       ここで登場するのがラバーダムです。 先程の状態で根管の中をきれいにしても、唾液が中に入ってしまいます。 すると唾液中の細菌が侵入するため炎症が治りづらくなってしまうのです。   ラバーダムと呼ばれるゴムのシートを歯にかけることで、 唾液の侵入を防ぐとともに、治療で使う器具や薬液の誤飲を防止することにもつながります。       マイクロスコープを使用して根管を覗きながら、 内部をすみずみまできれいにします。     きれいになったら根管内を充填材で埋めます。 再び細菌が増えないようにきっちり詰めることがポイントです。 レントゲンを見てみて、どうでしょう。 治療前にあった根元の黒い影はすっかりなくなりました。   治療前     いかがでしたか? 神経の治療、根管治療の際に大事な役割を果たしている、ラバーダム。   「根管治療を続けているけどなかなか改善しない」 というお悩みの方、ラバーダムしていますか?   気になる方は一度ご相談ください。   治療期間 2ヶ月 治療費 保険診療 治療のリスク 痛みを生じる可能性がある    

2023.06.10

ホワイトニングでどれくらい白くなるの?

「ホワイトニングで歯を白くしよう」 という広告や商品をよく目にしますが、 一体どれくらい歯が白くなるのでしょうか。   皆さんはどんな”白”をイメージしますか?     芸能人の口元を見ると歯が真っ白できれいですよね。 その中には自分の歯を白くしているのではなく、 セラミックという人工物を歯に被せている場合もあるので、 見るからに真っ白な歯をイメージしている方は、もしかしたらセラミックを想像されているかもしれません。     一般的に歯科医院で謳われているホワイトニングとは、 過酸化水素や過酸化尿素を用いて歯の内部に沈着している色素を分解することで、歯を白くすることを指します。   その前にホワイトニングの薬剤を歯に浸透させるためには歯の表面についている汚れ、ステインなどを専門的なクリーニングによって除去する必要があります。 ステインを除去することでその人の歯本来の白さを取り戻すことと、その上でさらにホワイトニング薬剤を用いて歯を白くすることは意味合いが異なります。 詳しくは以前にご紹介した記事をご覧ください。   https://www.as-dc.com/case_info/ホワイトニングとクリーニングの違いは?/ ↑クリックできます   それでは、 薬剤を用いて行うホワイトニングでは実際にどれくらい白くなるのか、 実際の治療を見てみましょう。     ホワイトニング希望で来院された患者さんです。 歯が黄色っぽく見えますよね。 この時点でステインなどは取り除いており、この方の本来の歯の色がこの状態です。   ホワイトニングをする場合、まず治療介入する前の歯の色がどれくらいなのか、 シェードガイドと呼ばれる歯の色見本を使って確認します。   この歯の色はA3.5であることがわかりました。 これはVITAclassicalという日本の歯科医院で広く採用されている色見本であり、 日本人の平均的な歯の色はA3~A3.5であるとされています。 なので、黄色く見えたこの歯の色は実は日本人では珍しくないのです。 しかし近年ホワイトニングが普及したことで、より歯を白くされている方も増えていて、一般的なイメージとしてももう少し白いほうが好まれることが多いです。   今回はホームホワイトニングという施術方法を選びました。 クリニックで型を取り、患者さんの歯ならびに合わせたマウスピースを作製、 ご自宅でマウスピースにホワイトニング薬剤を入れてお口にはめていただき、 ホワイトニングを進めていきます。 2〜3週間で白さを実感していただくことが多いです。     ホワイトニング治療後の写真です。 B1という白さになりました。 これはどれくらい白くなったのでしょうか。 先程お話ししたシェードガイドという色見本を使って、確かめてみましょう。   左がB1、右がホワイトニングを始める前のA3.5です。 このB1という色、VITAclassicalというシェードガイドの中では最も白い色です。 とても白くなりましたね。     治療前 治療後 これだけ歯の色が白くなると、笑った時の印象がちがうと思います。 キレイで健康的な感じがしますよね。   このように、ホワイトニングの治療の際には必ず治療の前後で色の変化を確かめます。 患者さんそれぞれの歯の状態によってどこまで白くなるかは異なります。 同じ施術をして皆同じ色になるわけではありませんが、 シェードガイドを用いて視覚的に変化を感じていただけると思います。   今日は簡単ではありますが、 ホワイトニングにより変化する歯の白さの程度についてお話してきました。 一度施術してその後その白さがずっと続くわけではありません。 お茶やコーヒーに含まれるポリフェノール類と呼ばれる色素など、さまざまな着色成分が歯の表面に付着してきます。 白さをキープするためには日々のセルフケアがとても重要になります。   ホワイトニングについてご興味のある方はぜひアズ歯科桶川院へご相談ください。   治療期間 1ヶ月 治療費 ¥30,000 + tax 治療のリスク 色が後戻りする可能性がある  

2023.06.03

虫歯を削ったらセラミックで治そう

大きな虫歯を治療すると穴が大きくなります。   その穴をどんな材料で治したらいいか。   おすすめはセラミックです。     矢印の銀歯のところに痛みがある患者さんです。   レントゲンを撮ってみると銀歯の中にセメントがあることがわかります。 その内部に虫歯があるようです。     早速、銀歯を外してみましょう。   内部のセメントが見えてきました。 このセメントも取ってみましょう。     虫歯が見えてきました。 以前治療されたはずですが、銀歯の中で再び虫歯になってしまったのでしょうか。       別の角度から見てみます。   銀歯、外側の白い詰め物を取ってみると、   2つの穴は繋がっていました。   虫歯が青く染まる検知液を使って範囲を確認します。   虫歯をすべて削り取ると、歯の内部はほぼ虫歯であったことがわかりました。 外側の歯は薄くなっており、欠けてしまいそうです。       穴をコンポジットレジンという白いプラスチックの材質で埋めた後、 外側を同じくプラスチックの仮歯で覆います。   レントゲン写真です。 虫歯を取ったのち、白い材料で埋めてあるのがわかります。 この時点で痛みが治っていました。     仮歯の状態で普段の生活上問題がなかったので、 プラスチックからセラミックへ材質を変えようとしています。 被せ物の色を他の自分の歯に合わせるための検査をしているところです。       セラミックの被せ物をしたところです。 プラスチックの仮歯と異なり、色にグラデーションがあり、 自分の歯に近い見た目にすることができます。   噛み合わせの確認です。 セラミックは材質も硬く、耐久性があることが特徴です。 また、表面がツルツルで汚れが付きにくいというメリットもあります。 ということは、虫歯が再発するリスクが低いということです。     生体親和性が高く、歯ぐきとの調和にも優れています。 金属の場合、接している歯ぐきにメタルタトゥーと呼ばれる色素沈着を生じさせるおそれがあります。     その後、同様に他の歯も金属の詰め物をはずして虫歯を治療し、 セラミック治療をしました。   治療前 治療後       いかがでしたか? 本日は、虫歯治療後の歯を補う材料としてセラミックを選択した時のお話でした。 桶川市で歯科医院をお探しで、 治療についてご興味がある方はぜひ一度ご相談ください。     治療期間 2ヶ月 治療費 ¥80,000 + tax 治療のリスク 痛みを生じる可能性がある  

2023.05.27

なぜ抜歯しなければいけないのか?

「この歯はもうダメなので抜きましょう」     歯医者でこう言われたご経験はありますか?   抜歯しなければならない理由は様々ありますが、 しっかり納得した上で抜歯という治療の選択肢を選ぶべきだと思います。   今日は、破折(はせつ)したために抜歯しなければならなかった時のお話をします。       もともと治療していた歯の治療の続きをご希望されて来院された患者さんです。 奥歯に金属の土台が入っているようです。     レントゲンを撮ってみました。 歯周病が進んでいるようです。 矢印で指しているあたりに黒い影を認めます。   この写真では炎症を起こしている範囲がよくわからないので、CT検査をしてみます。     根の先に黒い影があり、根尖性(こんせんせい)歯周炎のように見えます。 その場合、根管治療を行う必要があります。   そう思って別の角度からレントゲンを見てみると、、、   根の先端だけではなく、根の周りに沿って炎症が起きていることがわかりました。   「根尖性歯周炎だけではなく、歯根破折があるかもしれない」 と考えました。   もしそうだとすると治療内容が変わるので、大事なところです。   そして、 炎症が起きているのは2つ根っこがある奥歯の手前側の根っこだけ、ということまでわかりました。       この部分です。 レントゲンでわかるは、手前の根っこの周りの骨に炎症が起きているということまでです。   根が破折した時におこる炎症の典型的なレントゲン像でしたが、 実際に金属の土台を外してみて、確かめる必要があります。     ラバーダムをして、通常の根管治療と同じように金属を除去し、 根管をマイクロスコープで覗いているときの写真です。   矢印で指している部分に亀裂を見つけました。   どうやら本当に歯根が破折していたようです。     そもそもなぜ歯根が破折するのかというと、 一度神経を取って差し歯にしている歯は構造上脆くなってしまうのです。   残っている歯根に負担が集中すると亀裂が入ってしまい、 放っておくと、 そこから周りの骨に炎症が拡がってしまい、隣の歯に影響が出てくる可能性もあります。       この亀裂は塞ぐことができないため、 治療としては、   抜歯をして、歯槽骨(歯の周りの骨)で起きている炎症を食い止めることになります。   今回は亀裂が入った方の歯根のみを抜く、ヘミセクションという治療法を選択しました。   もともと2つ根っこがある奥歯を2つに分割して、   破折している方だけ抜きます。       抜いた歯根です。 矢印のところに破折線を認めます。     反対側から見ても割れているのがわかります。     この亀裂がある限り、いくら根管治療をしても炎症は治りません。 こうやって抜歯すれば破折していることは一目瞭然ですよね。   今回はCTとマイクロスコープを使って早期にこの亀裂に気づくことができました。   しかし、 このことに気づけなければ、 根管治療を繰り返し、 「なかなか治らないね」なんてことになっていたかもしれません。   そうしているうちに炎症は拡がり、より多くの骨を失っていたかもしれません。   今回のような治療を通して実感するのは、 何が起きているかの正確な診断がいかに大切であるかということです。       抜いた後は歯ぐきの治癒を待って、歯の形を調整して型を取り、   ブリッジ(被せ物をつなげた物)を被せることで、元の歯の形を再現します。 ここまで治療することでまた噛めるようになります。       いかがでしたか?   残念ながら歯根を抜かなければならなかった治療についてお話ししてきました。   歯を残しておくと周りの骨がどんどん溶けてしまい、 隣の歯も歯周病が進んでしまうような場合は、 それを防ぐための治療として抜歯が必要になるのです。     なぜ抜歯をしなければならないのか?     できるだけ歯を残すために様々な治療法はありますが、 抜かなければならない時にはそれ相応の理由があります。   その説明をしっかり受けて、納得した上で治療を受けることが大事です。   桶川市の歯科医院をお探しの方は、アズ歯科桶川院へお越しください。     治療期間 2ヶ月 治療費 保険診療 治療のリスク 抜歯する必要がある  

2023.05.19

歯ぐきが腫れたら神経の治療が必要?

「歯ぐきが赤くプクッと腫れてるなぁ」なんてことはありませんか?   それはもしかしたら歯の神経がわるくなってしまったのかもしれません。     こちらの患者さんも歯ぐきが腫れていることに気づき来院されました。 痛みはありませんでした。   レントゲン検査をします。 白く見えるのは金属の詰め物です。 この写真ではわるくなっているように見えません。   そこで、CT検査をしてみます。 歯の根の先が黒く見えますよね。   黒くなっている部分は炎症により骨が溶けているのです。 炎症が起きている原因は、歯の神経に細菌感染が生じているからです。   別の角度から見ています。 根の周りの骨が溶け、膿が拡がり、歯ぐきの表面に見えているわけです。   そこで、細菌感染の経路を考えます。 今回はこの銀歯の中であると考えられます。   銀歯を削って外します。 奥に白いセメントが見えてきました。 当時の虫歯の治療の跡です。   それも削って取ってみます。 すると、その周りが虫歯になっていることがわかります。   虫歯が青く染まる検知液を使って確認します。 歯の中心のあたりに穴が見え、その周りが青く染まっています。 実はこの穴の奥が神経で、そこまで虫歯が進行していたのです。   染まっている部分は全て削り取ります。 神経が生きている場合、ここで穴から出血してきますが、 今回は虫歯菌が感染して時間が経過しているため、 神経が壊死しており、出血はみられません。   虫歯を取りきったら、白い詰め物で形を修復します。 これから神経の中を治療する際に、周りから再感染しないようにするためです。   いわゆる神経の治療とは、感染した神経組織をきれいに除去することです。 唾液中にはたくさんの口腔内細菌がいるため、治療中に歯の中に唾液が入らないようにします。 そのために、ラバーダムと呼ばれるゴムのシートを歯にかけた状態で治療を進めます。   歯の神経があった部分に通じる穴を開けます。 黒くなっており、奥のほうにはまだ感染組織が詰まっているようです。   それを取り去り、専用の薬液で洗浄します。 感染した歯の内部をきれいにすることがこの治療の大事なポイントです。   感染経路がきれいになれば、その先の骨で起きている炎症が治ります。 洗浄後は再び穴の中で細菌が増えないように、専用の詰め物をして封鎖します。       封鎖後のレントゲン写真です。 白く見えているのが詰め物です。 この後、歯の形を元通りにするため被せ物をします。   白い被せ物をしました。 パッと見てどの歯を治療したのかわからないですよね。   歯ぐきの腫れも治りました。 治療の前後を見比べてみましょう。   治療前 治療後   レントゲンでも見比べてみましょう。   治療前 治療後   治療前 治療後   治療前 治療後   いかがでしょうか。 一度は炎症で溶けてしまった骨も、治療をしたことで治りました。   今回は、 「一見歯ぐきの病気に見えたものが、実は歯の神経の治療が必要だった」というお話でした。 皆さんも気になることがあれば、まずは一度歯科を受診して診断してもらいましょう。 早期に発見できれば、治療をすることでしっかり治すことができるかもしれません。 桶川市で歯科医院をお探しの方は、アズ歯科桶川院へお越しください。   治療期間 2ヶ月 治療費 保険診療 治療のリスク 再発する可能性がある  

2023.05.12

乳歯が早めに抜けてしまったら?

むし歯やケガなどで早期に乳歯を抜かなければならないことがあります。   さて、 なんとか頑張って抜歯ができました。   「その後の治療って、必要なのでしょうか?」   大人の歯、永久歯は、抜歯した後に再び噛めるようにする治療が必要ですよね。 入れ歯やブリッジ、インプラントなどです。   それでは、 乳歯は抜いた後、どうすると思いますか?     たいてい、乳歯は永久歯への生えかわりのタイミングで自然に抜けます。   お家でうまく抜けない子は歯医者で抜くこともありますが、   そもそもそれは、歯ならびの成長にとって適切な生えかわりの時期があるからです。   乳歯が抜けるのは遅すぎても早すぎてもダメなのです。     遅すぎる場合とは、永久歯が生えてきているのにも関わらず、 そこの乳歯がグラグラせずに残ってしまっている時などです。   定期的に歯科検診で受診していれば、 「この乳歯は自然に抜けるのが遅いので、今度抜歯をしましょう」 と歯科医師から言われるかもしれません。 その時は頑張って抜歯をしましょう。     それでは、乳歯が抜けるのが早すぎる場合とはどんな時でしょうか?     それは、むし歯やケガなどで抜けてしまった、もしくは抜かなければならなくなった時です。 その時は、歯科医院で乳歯を抜歯します。   しかし、いずれ永久歯が生えてくるので、 大人のようにインプラントをしたりということは必要ありません。   その代わり、永久歯が生えてくるスペースを確保しておかなければならないのです。 このことを、保隙(ほげき)といいます。   どういうことかというと、   早くに抜けてしまった乳歯の隣の歯が、その抜けたスペースによってきてしまうのです。   つまりそれを防いでおかないと、   あとから生えてこようとしている永久歯が生えるスペースがなくなり、適切な位置に生えてこれなくなってしまう ↓ 永久歯の歯ならびがわるくなる ということです。     では、実際にどのようにそのスペースを確保しておくのか、 治療の例を見てみましょう。       7歳のお子さんです。 乳歯が早期にグラグラしてしまい、痛みがあるため抜歯が必要でした。 原因は、当時のむし歯の治療で歯が脆くなってしまい、外力がかかった際に歯が内部で折れてしまっていたのです。     抜歯は済みましたが、永久歯が生えてくるまであと1年以上はかかりそうでした。 その間に隣の乳歯がこのスペースによってきてしまうと、本来生えてくるはずの永久歯が適切な位置に生えてこれなくなってしまいます。   そのことを防ぐために必要な治療が、保隙です。       今回は、バンドループという装置を用いて保隙しました。 型を取り、確保しておきたいスペースにぴったりのワイヤーを作製し、隣の乳歯に接着します。     そうして1年が経過した頃、保隙していた部分に変化が現れます。 歯ぐきが少し膨らんできているのです。   レントゲンを撮ってみると、永久歯がもうすぐ生えてきそうなのがわかります。 白く見えているのはバンドループです。 このままだとワイヤーが永久歯が生えてくる際に邪魔になってしまうため、バンドループを除去します。       バンドループをとって1ヶ月程たった頃、永久歯が生えてきました。 ここまできたら、あとは通常の永久歯の生えかわりと同様です。 しっかり生えてくるか様子を見守ります。   いかがでしたか?   今日は、早期に乳歯を失った場合の治療についてお話ししてきました。   この患者さんは矯正(きょうせい)治療、いわゆる理想的な歯ならびのために積極的に動かす治療はせず、 あくまで自然な生えかわりに影響が出ないように、という目的で治療を進めています。 今後、他の歯の生えかわりなどで今回治療した部分の歯ならびがきれいにならない可能性はあります。   もし、生えかわりを含めて永久歯をきれいな歯ならびに導くことを目的とするならば、 この時点で他の装置を用いて矯正治療を進めることも可能です。   受診される患者さんが希望される治療は、さまざまです。 それぞれに合った治療法をご提案したいので、 気になること、聞いてみたいことがある方はぜひ一度アズ歯科桶川院までご相談ください。   治療期間 1年半 治療費 保険診療 治療のリスク 今後、歯ならびが変化する可能性がある  

2023.05.05