前歯がしみる場合の治療とは?
「前歯の付け根がしみるんだよね」 このようなお悩みの患者さんは多いです。 そして、 歯ぐきが下がる → 根元が露出する → 知覚過敏になる というサイクルでしみている方が多いように感じます。 その場合、 治療をして即時に症状が改善する場合もありますが、 原因がはっきりわからず、よくなるまでに少し時間がかかることもあります。 そんな時はこんな治療をします、というお話です。 上の前歯がしみている患者さんです。 歯ぐきが下がっており、本来歯ぐきの中に隠れている根元が表面に見えています。 以前その部分に虫歯ができて治療をされたのでしょう。 古くなって変色している詰め物が見えます。 古い詰め物の接着が弱くなり、しみる原因になっていることもあるので、 除去して内部を確認します。 詰め物は深く、以前の虫歯はずいぶん大きかったようです。 新たに白い詰め物を接着しました。 同じ部分を裏側から見ています。 以前の詰め物がピッタリではないので、こちら側からも詰め物を除去します。 内部を確認します。 古い詰め物、その周りで虫歯になっている部分は削り取り、 新しい詰め物を歯ぐきにピッタリ合わせます。 再び表面から見てみます。 これで新しい詰め物の接着が終わりました。 治療後、しみる症状が改善したとのことで、一旦落着と思っていました。 しかし、1ヶ月後に再び同じところがしみるというお悩みで来院されました。 詰め物の接着が弱くなったとは考えにくいので、他の原因を考えました。 根元の詰め物はピッタリです。 それではなぜしみるようになったのか。 今回の治療では、清掃性を改善するために、 本来の歯根の形を再現するように詰め物をしました。 しかし、歯周病で歯ぐきが下がっているので、 その部分に刺激が加わり、知覚過敏を起こしてしまっているのではないかと考えました。 そこで、隣の差し歯を外して、 しみている歯の詰め物の厚みを増やすことを考えました。 幸い、今回の部分の詰め物を大きくしても、 反対側の歯にも大きめの被せ物が入っているので、見た目で左右のバランスがわるくなることはなさそうです。 外す前 外した後 仮歯をつけたところ この仮歯の幅を小さくして、 しみている歯の詰め物の厚みを増やします。 そこでこの金属の土台を外して、 まずはこちらの根の治療をします。 差し歯の中の治療を済ませたら、 こっちのしみているほうの治療をします。 詰め物の厚みを、 増やしました。 歯の根元から移行的に詰め物を接着します。 段差ができたりすると清掃性がわるくなり、虫歯や歯周病が悪化する原因になるため、 ここは大事なポイントです。 その後、新しい差し歯の土台を作り、 幅を小さくした仮歯を戻します。 この治療の後、患者さんのしみる症状は改善しました。 今後は経過をみて症状が落ち着いているようであれば、 仮歯を最終的な被せ物に変更して、治療終了です。 いかがでしたか? 最初のこの治療だけでしみる症状が改善する患者さんもいるでしょう。 その場合は今回のような治療は必要ないです。 ただ、一度治療した後もまだ同じ症状が続いているなら、 他に必要な治療がないか再検討する必要があります。 今回のように、 「以前治療したのだけど、まだ気になる症状がある」 という方はぜひ一度アズ歯科桶川院までご相談ください。 セカンドオピニオンをご希望の方もお待ちしております。 治療期間 2ヶ月 治療費 保険診療 治療のリスク 症状が再燃する可能性がある
2023.04.03