根管治療

桶川の歯医者|アズ歯科 桶川院

根の治療で治らないと言われた歯も

根の治療をする際に、もうこれは治らないなという歯もあります。   残っている歯が少なかったり、歯が折れてしまっていたり。   しかし、 一見ダメそうに見えても、 条件が合えば、治る可能性がある歯もあります。     中学生の患者さんでした。 「中心結節」といって、歯の中心に突起がある歯だったようです。 そこが折れてしまい、神経が露出して別の病院で治療を受けていました。 治らない、抜くしかないと言われ、当院へ相談に来てくれました。   まだ年齢が若く、歯根が完成する前に神経がダメになってしまったようで、 根の先端がふさがっていません。   こうなると神経の治療をして詰め物をしても先端が封鎖できず、 炎症が改善しないことがあります。 今回もそのような理由で治らないと言われたとのことでした。     当院で治療を開始しました。 まずラバーダムというゴムのシートを歯にかぶせ、 唾液が根管に侵入しないようにしながら根の内部の洗浄をしていきます。   そして、内部がきれいになったら、 水酸化カルシウムという殺菌力のある薬剤を根管内に貼薬します。 その時のレントゲン写真です。   CTレントゲン写真では、このようになっていました。 根の周りに黒い影があり、炎症により骨が溶けているのがわかります。   別の角度から見てみます。 根の先端が封鎖できなければ、炎症が治らないというのが一般的な見方です。 しかし、先ほど述べた水酸化カルシウムという薬剤には硬組織形成作用があります。 セメント質とよばれる本来歯根を構成している組織ができるのです。   症状も落ち着いており、 その効果を期待して1年ほど待ちました。         1年後のCTレントゲン写真です。 黒い影がなくなっています。 炎症が改善したのです。     別の角度から見てみます。 根の周りにしっかりと骨ができています。 そして、根の先端にはしっかりと硬組織ができており、封鎖できたことがわかります。 これで完治したと言えます。     治療の前後を見比べてみましょう。     治療前 治療後     治療前 治療後     いかがでしたか?   もう治らないよ、と言われた歯も、 まだ何か残すための手段があるかもしれません。   気になることがある方はぜひ一度アズ歯科桶川院までご相談ください。     治療期間 1年 治療費 保険診療 治療のリスク 炎症が改善しない可能性もある  

2023.07.30

ラバーダムってなに?

歯の神経の治療をしたことはありますか?   虫歯が進行して細菌が神経に感染した場合、 神経をとる治療が必要になります。   痛くなることが多いので、痛みがあって歯医者に行ったら、 神経の治療をすることになった、なんてことはよくあると思います。   今回は、歯の神経の治療の時に使うラバーダムという器具のご紹介をしたいと思います。       下の奥歯です。 銀歯が入っていて、以前治療をしていたようですが、 この歯に痛みがありました。   レントゲン写真です。 白くなっている部分が金属です。 根元が黒くなっており、ここが病巣です。 細菌が侵入することで骨が炎症を起こし、溶けてしまっているのです。 これを治すために、原因となっている虫歯を除去し、 根管治療を施します。     まずは金属の被せ物を外します。 すると次は金属の土台が見えてくるので、     その土台も除去します。 すると内部で虫歯になっているところがありました。   それをきれいに取り去り、上から覗いたところです。 神経があった穴、根管が見えます。       ここで登場するのがラバーダムです。 先程の状態で根管の中をきれいにしても、唾液が中に入ってしまいます。 すると唾液中の細菌が侵入するため炎症が治りづらくなってしまうのです。   ラバーダムと呼ばれるゴムのシートを歯にかけることで、 唾液の侵入を防ぐとともに、治療で使う器具や薬液の誤飲を防止することにもつながります。       マイクロスコープを使用して根管を覗きながら、 内部をすみずみまできれいにします。     きれいになったら根管内を充填材で埋めます。 再び細菌が増えないようにきっちり詰めることがポイントです。 レントゲンを見てみて、どうでしょう。 治療前にあった根元の黒い影はすっかりなくなりました。   治療前     いかがでしたか? 神経の治療、根管治療の際に大事な役割を果たしている、ラバーダム。   「根管治療を続けているけどなかなか改善しない」 というお悩みの方、ラバーダムしていますか?   気になる方は一度ご相談ください。   治療期間 2ヶ月 治療費 保険診療 治療のリスク 痛みを生じる可能性がある    

2023.06.10

なぜ抜歯しなければいけないのか?

「この歯はもうダメなので抜きましょう」     歯医者でこう言われたご経験はありますか?   抜歯しなければならない理由は様々ありますが、 しっかり納得した上で抜歯という治療の選択肢を選ぶべきだと思います。   今日は、破折(はせつ)したために抜歯しなければならなかった時のお話をします。       もともと治療していた歯の治療の続きをご希望されて来院された患者さんです。 奥歯に金属の土台が入っているようです。     レントゲンを撮ってみました。 歯周病が進んでいるようです。 矢印で指しているあたりに黒い影を認めます。   この写真では炎症を起こしている範囲がよくわからないので、CT検査をしてみます。     根の先に黒い影があり、根尖性(こんせんせい)歯周炎のように見えます。 その場合、根管治療を行う必要があります。   そう思って別の角度からレントゲンを見てみると、、、   根の先端だけではなく、根の周りに沿って炎症が起きていることがわかりました。   「根尖性歯周炎だけではなく、歯根破折があるかもしれない」 と考えました。   もしそうだとすると治療内容が変わるので、大事なところです。   そして、 炎症が起きているのは2つ根っこがある奥歯の手前側の根っこだけ、ということまでわかりました。       この部分です。 レントゲンでわかるは、手前の根っこの周りの骨に炎症が起きているということまでです。   根が破折した時におこる炎症の典型的なレントゲン像でしたが、 実際に金属の土台を外してみて、確かめる必要があります。     ラバーダムをして、通常の根管治療と同じように金属を除去し、 根管をマイクロスコープで覗いているときの写真です。   矢印で指している部分に亀裂を見つけました。   どうやら本当に歯根が破折していたようです。     そもそもなぜ歯根が破折するのかというと、 一度神経を取って差し歯にしている歯は構造上脆くなってしまうのです。   残っている歯根に負担が集中すると亀裂が入ってしまい、 放っておくと、 そこから周りの骨に炎症が拡がってしまい、隣の歯に影響が出てくる可能性もあります。       この亀裂は塞ぐことができないため、 治療としては、   抜歯をして、歯槽骨(歯の周りの骨)で起きている炎症を食い止めることになります。   今回は亀裂が入った方の歯根のみを抜く、ヘミセクションという治療法を選択しました。   もともと2つ根っこがある奥歯を2つに分割して、   破折している方だけ抜きます。       抜いた歯根です。 矢印のところに破折線を認めます。     反対側から見ても割れているのがわかります。     この亀裂がある限り、いくら根管治療をしても炎症は治りません。 こうやって抜歯すれば破折していることは一目瞭然ですよね。   今回はCTとマイクロスコープを使って早期にこの亀裂に気づくことができました。   しかし、 このことに気づけなければ、 根管治療を繰り返し、 「なかなか治らないね」なんてことになっていたかもしれません。   そうしているうちに炎症は拡がり、より多くの骨を失っていたかもしれません。   今回のような治療を通して実感するのは、 何が起きているかの正確な診断がいかに大切であるかということです。       抜いた後は歯ぐきの治癒を待って、歯の形を調整して型を取り、   ブリッジ(被せ物をつなげた物)を被せることで、元の歯の形を再現します。 ここまで治療することでまた噛めるようになります。       いかがでしたか?   残念ながら歯根を抜かなければならなかった治療についてお話ししてきました。   歯を残しておくと周りの骨がどんどん溶けてしまい、 隣の歯も歯周病が進んでしまうような場合は、 それを防ぐための治療として抜歯が必要になるのです。     なぜ抜歯をしなければならないのか?     できるだけ歯を残すために様々な治療法はありますが、 抜かなければならない時にはそれ相応の理由があります。   その説明をしっかり受けて、納得した上で治療を受けることが大事です。   桶川市の歯科医院をお探しの方は、アズ歯科桶川院へお越しください。     治療期間 2ヶ月 治療費 保険診療 治療のリスク 抜歯する必要がある  

2023.05.19

歯ぐきが腫れたら神経の治療が必要?

「歯ぐきが赤くプクッと腫れてるなぁ」なんてことはありませんか?   それはもしかしたら歯の神経がわるくなってしまったのかもしれません。     こちらの患者さんも歯ぐきが腫れていることに気づき来院されました。 痛みはありませんでした。   レントゲン検査をします。 白く見えるのは金属の詰め物です。 この写真ではわるくなっているように見えません。   そこで、CT検査をしてみます。 歯の根の先が黒く見えますよね。   黒くなっている部分は炎症により骨が溶けているのです。 炎症が起きている原因は、歯の神経に細菌感染が生じているからです。   別の角度から見ています。 根の周りの骨が溶け、膿が拡がり、歯ぐきの表面に見えているわけです。   そこで、細菌感染の経路を考えます。 今回はこの銀歯の中であると考えられます。   銀歯を削って外します。 奥に白いセメントが見えてきました。 当時の虫歯の治療の跡です。   それも削って取ってみます。 すると、その周りが虫歯になっていることがわかります。   虫歯が青く染まる検知液を使って確認します。 歯の中心のあたりに穴が見え、その周りが青く染まっています。 実はこの穴の奥が神経で、そこまで虫歯が進行していたのです。   染まっている部分は全て削り取ります。 神経が生きている場合、ここで穴から出血してきますが、 今回は虫歯菌が感染して時間が経過しているため、 神経が壊死しており、出血はみられません。   虫歯を取りきったら、白い詰め物で形を修復します。 これから神経の中を治療する際に、周りから再感染しないようにするためです。   いわゆる神経の治療とは、感染した神経組織をきれいに除去することです。 唾液中にはたくさんの口腔内細菌がいるため、治療中に歯の中に唾液が入らないようにします。 そのために、ラバーダムと呼ばれるゴムのシートを歯にかけた状態で治療を進めます。   歯の神経があった部分に通じる穴を開けます。 黒くなっており、奥のほうにはまだ感染組織が詰まっているようです。   それを取り去り、専用の薬液で洗浄します。 感染した歯の内部をきれいにすることがこの治療の大事なポイントです。   感染経路がきれいになれば、その先の骨で起きている炎症が治ります。 洗浄後は再び穴の中で細菌が増えないように、専用の詰め物をして封鎖します。       封鎖後のレントゲン写真です。 白く見えているのが詰め物です。 この後、歯の形を元通りにするため被せ物をします。   白い被せ物をしました。 パッと見てどの歯を治療したのかわからないですよね。   歯ぐきの腫れも治りました。 治療の前後を見比べてみましょう。   治療前 治療後   レントゲンでも見比べてみましょう。   治療前 治療後   治療前 治療後   治療前 治療後   いかがでしょうか。 一度は炎症で溶けてしまった骨も、治療をしたことで治りました。   今回は、 「一見歯ぐきの病気に見えたものが、実は歯の神経の治療が必要だった」というお話でした。 皆さんも気になることがあれば、まずは一度歯科を受診して診断してもらいましょう。 早期に発見できれば、治療をすることでしっかり治すことができるかもしれません。 桶川市で歯科医院をお探しの方は、アズ歯科桶川院へお越しください。   治療期間 2ヶ月 治療費 保険診療 治療のリスク 再発する可能性がある  

2023.05.12

骨の中に飛び出た異物は手術でとれる?

神経の治療、根管治療をする時に、根管内を封鎖するために詰める材料があります。 ガッタパーチャポイントと呼ばれるゴムのようなものですが、 根の先端が壊れているとその先へ材料が飛び出してしまうことがあります。   飛び出してしまった材料は骨の中に残り、炎症の原因となるので除去しなければなりません。 本日はそんなお話をします。   奥歯に痛みがあり、受診されました。   もともと根管治療をされていたようですが、痛みがおさまらず当院を受診されました。 矢印のところに白い影が見えます。   CTで確認すると、 根の周りに歯周病で骨が溶けている像(黒い部分)があり、 そばに白い影が見えます。   別の角度から見てみます。 根の中にある白い影と、根の先にある白い影が同じものであるように見えます。 おそらく当時の治療で根の中を詰める材料が骨の中に飛び出してしまったものと考えられます。   別の角度から見てみます。 この部分に痛みがあるのは骨の中の炎症が原因であり、 異物が病巣内にあるならば、 炎症を治すためにはこの異物も取り出す必要があります。   この骨の中の炎症は、もとは根管に感染した細菌により引き起こされたものです。 まずは根管治療をして、根管内をきれいにします。   歯の被せ物を除去します。   除去後、歯の表面をきれいにしたら、   ラバーダム(ゴムのシート)をかけるために白い材料で歯の形を一部復元します。   ラバーダムをかけたら、根管内を洗浄します。   根管内をきれいにしたら、そのスペースを埋めるために詰め物をします。 ピッタリ詰めないとまた細菌が増えて炎症を起こす原因となるため大事なポイントです。   根管内に詰め物をした後のレントゲン写真です。 根の先に飛び出している異物はまだ残ったままです。   これを取り除くためには手術が必要なので進めましょう。     歯ぐきを切開してみると、骨の中に飛び出してしまったと思われる異物がありました。   まずはそれを確実に除去します。   取り出した異物です。 全長3mmくらいでした。   その後、病巣内の根の周りをきれいにします。 ここでは歯根端切除術をしています。   手術直後のレントゲン写真です。 白く見えていた異物がなくなりました。 根の先端の黒く見えている部分は病巣を取り除いた後の骨の空洞です。 炎症の原因となっていた細菌がいなくなれば、やがてここに骨ができてきます。   術後、1ヶ月たった時点の歯ぐきの状態です。 感染もなく落ち着いています。 この時点で、もともとあった歯の痛みはなくなっています。   術後、半年たった時点でのレントゲン写真です。 根の周りの黒い影がなくなり、骨ができていることがわかります。   ここで、治療の前後でのCTの比較をしてみましょう。   治療前   治療後   いずれの写真でも、再び骨ができてきているのがわかります。 根管内をきれいにして骨の中の異物をとったことで炎症が治ったようです。   炎症が落ち着いてきたら仮歯をかぶせて、実際にお食事で噛んでみます。 噛むことで治療した歯に負担がかかりますが、そのことで痛みが出たり問題が起きないか確認します。   いかがでしたか? 今回は、根管治療で異物が根の外側に飛び出してしまった場合の治療についてお話してきました。 神経の治療、根管治療を続けているけど痛みがおさまらない方はご相談ください。 痛みが続いている原因が他にあるかもしれません。   桶川市で歯科医院をお探しの方は、アズ歯科桶川院までお越しください。   治療期間 6ヶ月 治療費 保険診療 治療のリスク 根が短くなる、炎症が再燃する可能性がある  

2023.04.12

根管治療は難しい

昔に比べ神経を守ることに力を入れている歯科医院も増え、神経を温存することが大切なことと一般の方にも認知されてきていると感じます。 しかし、虫歯が大きく内部の神経に感染してしまっている場合には神経を除去する根管治療が必要になります。 アズ歯科桶川院にもセカンドオピニオンで根管治療を希望し来院される方が多くいらっしゃいます。 マイクロスコープやラバーダムの使用を希望されます。 治療の精度を上げ、成功率を上げるためには大切な機器です。   しかし、実際に根の内部は下の画像のように細かく枝分かれしており、その内部に菌が広がっている場合、完全にきれいにするのは難しい場合があります。     日本の保険診療での根管治療の成功率は3〜5割と言われています。 当院ではマイクロスコープ、CT、ラバーダムを使用しますが、 それでも成功率が100%になることはありません。 いくら丁寧にやっても治らないケースもあります。 根管治療の専門医でも100%ではありません。 それほど根管治療は難しい治療なのです。   今回もセカンドオピニオンで来院されたケースです。 左上の奥歯の根管治療で専門医をすすめられ、色々調べ他県から来院されました。 レントゲンを撮影します。 赤丸の歯の根の先が少し黒く見えるのが分かるでしょうか。 より精確に確認するため、CTを撮影します。 CTが導入されている医院はまだ少なく、インプラントや親知らずの抜歯以外にもレントゲンで分かりづらい根の先端の確認などに力を発揮します。 実際の画像です。 根の周囲が黒く抜けています。 この画像で黒く抜けている部分は菌によって骨が弱くなっている状態です。 このまま放置しておくと病巣が広がり、歯の上方にある副鼻腔に影響を出したり、抜歯になってしまう可能性があります。 また、この根の内部には白く写るはずの根管治療で最後に詰める薬剤が入っていません。 根も曲がっているように見えます。 治療の難易度が高いことが予想できます。   患者さんにもそのことを説明し、マイクロスコープを使用しての根管治療を行います。   治療途中でCTを再撮影し確認します。 少し黒い部分の境界が分かりづらくなってきています。 骨の回復傾向が確認できたため、最終的な薬剤を詰めます。   治療が終了しても骨が完全に再生するには時間がかかります。 一定期間経過後、再度C Tを撮影します。 根の周囲が白くなり骨が再生しているのが分かります。   治療前後で比較します。 治療前                治療後 治療期間中の症状もなく、骨の改善も見られとても喜んでいただけました。 今回のケースのようにしっかりと骨が再生してくる場合もありますが、根管治療だけでは治らず、外科治療が必要になる場合もあります。 マイクロスコープやラバーダムは必要な器具ですがそれを使用するだけでは治らず、丁寧に治療することがとても大切になりますし、歯の形なども大きく関わります。 必ず治る訳ではありませんが、根管治療がうまくいき抜歯せずに済む歯が1本でも増えるよう当院では懸命に治療に取り組んでいます。 お悩みのことがあればアズ歯科桶川院までお気軽にご相談ください。 治療期間 5ヶ月 治療費 保険診療 治療のリスク 歯が割れる可能性がある    

2023.02.03

レントゲンの撮影は本当に必要?

桶川にある歯医者、アズ歯科桶川院の歯科医師、鈴木篤士です。   通常、口の中に問題があり歯科医院を受診した際にレントゲンの撮影をすすめられる事が多いかと思います。 その理由としては、明らかに歯茎が腫れている、大きな虫歯があるなど原因がはっきりとわかる場合を除いて、肉眼だけでは原因の特定が難しい事があります。 歯や銀歯の内部、さらにはその下の骨の中まで確認するにはレントゲンの撮影は必須だと考えます。 当院でもどこまでの処置を希望するかを事前に確認後レントゲンの撮影をお願いしています。   今回は右下全体の違和感で来院された方のケースです。 問診と口腔内のチェック後にレントゲンの撮影を行いました。 口腔内の写真です。 右下の1番奥の歯には虫歯があり、そこが原因の可能性が高いため処置を行いました。 しかし、その後も違和感が残り時々痛みが出るとのことです。   最初のレントゲンをもう一度確認します。 赤丸の部分が周囲と比べると少し黒く見えます。 通常のレントゲンではここまでしか確認できないため、ここからは症状や経過をみたりして治療に移行するか決定します。 当院では、こういった判断が難しいケースではCTの撮影をお願いしています。 CT撮影し精査します。   CTで見ると黒い部分がはっきりと分かると思います。 この部分は神経が菌に感染し、根の周囲の骨に炎症を起こしている状態です。 このまま放置しておくと、炎症の範囲が広がり最悪の場合抜歯になる可能性があります。 根管治療が必要な状態です。   根管治療は保険内で処置できますが、難易度が高く再発を起こしやすいため、適切な手技と機材が必須だと考えています。 当院では保険内の治療でもマイクロスコープとラバーダムを使用します。   根管治療が終了し、被せ物の作製に移ります。 今回はより審美的なものを希望されたためセラミックでの作製をおすすめしました。   自然な色合いになるように歯の色を記録します。 その記録を元に技工士に作製を依頼します。   装着後の写真です。    周りの歯の色とぴったり合いとても綺麗に仕上がりました。 セラミックなどの審美的な被せ物を入れることは、虫歯や歯周病のリスクも減るためとても良いことだと思いますが、基礎となる歯の内部の根管治療がしっかりできていなければ全てやり直しになる可能性があります。 当院では審美治療、インプラント治療などの高度な技術を必要とする治療はもちろん、根管治療、歯周病治療などの基本的な治療も一つ一つ丁寧に行い、再発が起こらないよう心掛けております。 アズ歯科桶川院では幅広い治療内容に対応できます。 お気軽にご相談ください。   治療期間 3ヶ月 治療費 ¥100,000 + tax + 保険診療 治療のリスク 根が割れてしまう可能性がある  

2023.01.18

それは口内炎ではない!?

桶川にある歯医者、アズ歯科桶川院の歯科医師、中村一仁です。   歯ぐきに出来物があったら口内炎だと思いますよね? でも実はそれ、 口内炎じゃないかもしれません。   この前歯のとこにできてるのは口内炎でしょうか? 赤くなっていて、そんな感じに見えます。 レントゲンを撮って見てみましょう。   この黒くなっているところ、ここが今回の口内炎のような出来物の原因です。 病名を「根尖性歯周炎(こんせんせいししゅうえん)」といいます。 虫歯などにより歯の神経に感染が生じ、歯の周りの骨にまで炎症が拡がっている状態です。 痛く感じることもあれば、何も症状を感じずに進行する場合もあります。 この病巣の一部が、歯ぐきの表面に赤く見えていたのです。   この病気を治すためには、感染した神経をキレイにする必要があります。 その治療を「根管治療(こんかんちりょう)」といいます。 ラバーダムと呼ばれるゴムのシートをかけることで、 根管に唾液中の細菌が入らないように、 また、治療で使う薬液等が粘膜につかないようにしながら治療をします。   治療後の口腔内写真です。 口内炎に見えた出来物はすっかりなくなりました。   治療後のレントゲン写真です。 根の中に詰め物が入っています。 一度溶けた骨は、この時点ではまだ再生してません。 炎症が落ち着いてもすぐにレントゲンで変化はわからないのです。   1年後のレントゲン写真です。 骨が治ったので黒い部分がなくなりました。 根管治療により、根尖性歯周炎は治りました。   治療時に開けた穴は白い詰め物で塞いでいるので、見た目は変わりません。 それでは、治療の前後を比較してみましょう。   治療前   治療後   いかがでしょうか。 もし、これをただの口内炎だと思って放っておくと、 炎症は拡がり、骨の吸収はさらに進んでいたと思います。   口内炎かご自身で判断できない場合は、 まず一度歯科医院を受診されることをお勧めします。   治療期間 1ヶ月 治療費 保険診療 治療のリスク 再発する可能性がある  

2023.01.15

歯の周りの骨が溶ける?

桶川にある歯医者、アズ歯科桶川院の歯科医師、鈴木篤士です。   1年ほど前に、神経の治療を受けた歯の違和感が続いていると他県から相談で来院された患者様です。 表面上は問題なく見えたため、レントゲンで確認させていただきました。 CTの画像です。 顔を横から見た図 顔を正面から見た図   緑の矢印の部分が周囲に比べて少し黒く見えると思います。 この部分は菌の影響で根の周囲にある骨が溶けている状態です。 まだ、あまり範囲は広がっていませんがこのままの状態で放置しておくと、菌がどんどん広がり、最悪の場合、抜歯になってしまう可能性があります。 これを治すには再度根の治療(根管治療)が必要です。 しかし、1度根管治療を受けた歯のやり直しは初めて神経を取る治療に比べ、難易度が上が理、成功率が下がります。 以前の治療の際にどういった内容の処置を受けていたのかにもよりますが、すでに歯の内部にたくさんの菌が存在している可能性、一度削っているため歯の強度が落ちている可能性、また、歯科医師によって手技が異なるため他院での治療方法がわからず手探りで始めることになる可能性があるからです。   イメージとしては下のような状況です   治療の流れ ①被せ物を外し、虫歯があれば除去する ②中にある土台などの材料を除去する ③根の内部に充填されている薬剤を除去する こうすることによって根の先の菌が溜まり炎症が起こっている部分に直接アプローチできるようになります。   この際とても重要になってくるのがラバーダムと呼ばれる、ゴムの器具です。 下の写真のように、歯の周囲に専用の器具と一緒に用い、治療の歯のみを周囲から分け、根管治療の際に唾液が中に入らないようにするために使います。 唾液中には数百億個もの菌が存在すると言われており、それが歯の内部に入ってしまっては薬などの効果も半減し治る確率が減ってしまいます。 しかし、日本の歯科医院で保険診療において使用している所はほとんどないのが現状です。 また、治療の精度を上げるために必要になるのがマイクロスコープです。 歯の内部は暗く細いため、肉眼やルーペで見ても正確に確認することはできません。 当院では、保険診療内外問わず、ラバーダム、マイクロスコープ、CT、ニッケルチタンファイルなど治療に必要なものは必ず使用するようにしています。 それでも治らないことがある程、根管治療は難易度の高い治療だと考えます。   今回の症例でも全ての器具を使用し治療を行いました。 治療後のCT画像です。 緑の矢印の部分が白くなっているのが分かると思います。 溶けていた骨が再生しています。   治療前後で比較します。 治療前                 治療後       元々あった違和感も消え、大変喜んでいただけました。 根管治療はとても難しい治療です。 治療後の再発などで悩んでいる患者様も多く、セカンドオピニオンなど他県から来院していただくケースも増えています。 必ず治るとは言えませんが、できる限りの機材を使用し精度の高い治療を心がけております。 アズ歯科桶川院までお気軽にご相談ください。 治療期間 3ヶ月 治療費 保険診療 治療のリスク 歯が割れてしまう可能性がある  

2023.01.11

根管治療は歯の基礎となる治療

桶川にある歯医者、アズ歯科桶川院の歯科医師、鈴木です。 歯の内部には、歯の痛覚を持つ神経が存在します。 小さい虫歯であれば、虫歯を除去し樹脂や金属、セラミックなどで修復すれば元の歯に近い形に戻すことができます。 しかし、虫歯が大きくなってしまうと内部の神経が菌に感染してしまい、神経を取らざるを得ない場合があります。 神経を取る治療は根管治療と呼ばれます。 健康保険で行える治療で日本全国で受けることができます。 しかし、実はとても難易度の高い治療で、しっかりとした設備、知識を持って対処しないと再発を繰り返してしまう可能性があります。 また、日本の保険診療上、最新の設備を使用しいかに丁寧に治療しても大きく金額は変わらず、難易度も高いため治療自体を敬遠する先生もいると思います。 セラミックなどの材料が注目されがちではありますが、基礎となる根管治療がしっかり行われていないといくら良い材質を選択しても意味がなくなる場合があります。 そのため、当院では根管治療にも力を入れ、再発がないようCT、マイクロスコープ、ラバーダムといった、保険外診療で使用している医院が多い内容を保険内外問わず使用しています。   今回は他院から根管治療の専門医を紹介されたが、保険外診療で高額なため当院にセカンドオピニオンで来院された患者様です。 レントゲン写真で調べていきます。 今回の主訴は右上の奥歯ですが、通常上の奥歯は根が3〜4本存在します。 そのため、しっかりとした治療が行われている場合、レントゲン上で根の内部に3〜4本の材料が入っている画像が写っているのが良い状態と考えられます。 今回のレントゲンでは1本しかはっきり見える部分がありません。 CTを撮影しより細かく確認します。 根の内部に材料が入っておらず、根の周囲が黒く見えるのが分かると思います。 これは菌によって周囲の骨が溶けてしまっている状態です。 しっかりとした治療を行わないと、少しずつ骨の吸収が広がってしまい抜歯になってしまう可能性があります。   状態を患者様に説明し、治療の同意を得ます。 マイクロスコープ、ラバーダムを使用し根管治療をスタートします。 歯の内部には汚れや以前の治療で使用された材料が詰まっています。 これを全て除去して洗浄、消毒していきます。 歯の内部が綺麗になったら、新たにガッタパーチャと呼ばれるゴムの材料を根に緊密に詰めていきます。   詰めた直後のレントゲンです。 根は大きく3本に分かれていたため、それぞれの根に詰めてあります。   一定期間経過を見て、CTを撮影し骨の回復状況をチェックします。 根の周囲に骨が再生し、白く見えてきているのが分かると思います。   治療前後で比較します。 治療前                治療後    骨ができるのには時間がかかるため、しっかりと回復するのを待つ必要があります。 そのため治療期間は伸びてしまう場合もありますが、基礎となる根管治療が上手くいけば、上に被せる材質に良いものを選択しても長く保てる可能性が高くなります。 根管治療は特に難しく、とても大切な治療です。 いくら丁寧に治療しても治らない場合もあります。 まずは神経を取らずに済むよう、小さい虫歯の時点で対処できるよう定期検診の受診をおすすめします。   当院には日々、根管治療のセカンドオピニオン希望の患者様が多く来院されます。 複雑で難易度の高い根管治療にも様々な機器と設備、知識を持って対応しています。 お口のことでお困りごとがあれば、アズ歯科桶川院までお気軽にご相談ください。 治療期間 4ヶ月 治療費 保険診療 治療のリスク 神経を取った歯が割れてしまう可能性がある    

2022.11.05